◆◇◆◇◆ 1993/02/28(日) ◆◇◆◇◆

『幽遊白書』決定的な違い!!の巻 感想

今週の心の叫び
冨樫先生が泣かせる

不親切なあらすじ

桑原くんを目の前で殺され、幽助はついに本当の力を発動させた。喜ぶ戸愚呂に対し、幽助は叫ぶ。
「オレはあんたと違う」と。
人間を捨てた戸愚呂の強さと、何も捨てないための幽助の強さが正面からぶつかる。
どうなるんだ、決勝戦。以下、次号(なんと書いてよいのかわからない今週の展開)。

扉絵が泣かせる

今週の扉絵は、数ある幽遊の扉絵の中でもっとも哀しいものだった。
扉絵が全然、出てこなくて……驚くほど哀しげで大人びた表情の幽助が辛くて……ひどく落ち込んだ気分でページをめくったとたんに、フェイント状態で現れたあの扉絵。
なんと、6ページ目にしてようやく現れたその扉絵を見た途端に、私は硬直してしまい、そのまま言葉もなく、扉絵を凝視していた。
哀しかった。哀しかった。ただひたすら哀しかった。
幻海師範がお亡くなりになった時、幽遊を読んでてこんな哀しいことは、もう決しておこらないだろうと思ったのに、あの扉絵は、幽助か瀕死の幻海師範にむかって「よっしゃ。今すぐみんなのとこ連れてくからな!! 蔵馬がなんとかしてくれるさ」と言った時の数倍、哀しかった。
先週の倒れる桑原くんに駆け寄り、おもわず顔をゆがめた蔵馬の表情よりも哀しかった。
中央のにこやかな4人(?)のスナップショツト。
彼らが一つのコマにおさまってじゃれあっている絵なんて、一度も見たことはなかった(たくさん見ているような気がしていたけど、よく考えてみるとあれは同人誌で見たんだった)。だって、本編の中で4人が一緒のコマにおさまっていること自体マレだし、とっても仲の良い4人なのに、なぜか彼らがなごやかにおしゃべりをしているシーンというのも、本当に少ないのだ。
だから、他の時だったらあれは、うれしくてうれしくてたまらない絵になっていたはずだった。きっと、顔のゆがみがなおらなくて、皆に「なんかうれしいことでもあったの?」とか聞かれてしまうようなカットだった。
やけに子供っぽい顔して笑っている蔵馬(最近どうも忘れがちだけど、彼だって人間としてはまだ15才なんだよね)。妙な指のポーズをつくってよろこんでいる桑原くん。そして、ふざけて飛影ちゃんにからんでいる幽助と、怒ったような表情をつくっているわりに、いやがってはいない飛影ちゃん。
本当にこんな絵を見せてもらっちゃっていいのかしらんと思うくらい、うれしい絵だった。
だけど、それだけにあの扉絵は哀しすぎた。桑原くんの背中は哀しすぎた。あのあおり文句は哀しすぎた。
「まかせたぜ…浦飯…」
あおり文句までが私を泣かせる……。
私は何年ぶりかで、マンガを読んで、たった一枚の扉絵を見て、涙ぐんでしまった。
あれが電車の中でなくてよかった。まだ誰もいない早朝の会社でよかった(私はたいていの場合、ジャンプは会社で読んでる)。
私は桑原くんが生き返ると思っていました。
幽助みたいに生き返ってくれるんだと信じていました。
けれど、あの扉絵を見て、自信がなくなってしまいました。
誰か、桑原くんは生き返ると私に言ってください。
冨樫先生、お願いです。ご都合主義でもなんでもいいから、どうか、桑原くんを生き返らせてあげてください。
桑原くんは幽助の大事な大事な親友で、飛影ちゃんも蔵馬も、残念なから彼のかわりにはなれない。幽助が14才の男の子であり続けるために、桑原くんは必要不可欠な存在なの。
それに、雪菜ちゃんのことだって、本当にこれからなの。桐島くんたちだって、永吉だって、桑原くんの帰りを待っているに違いないの。
だから、だから、桑原くんを行き返らせて。
お願いだから、生き返らせて。

幻海師範の教え

幽助が戸愚呂の強さに憧れているということは知っていた。だって、幽助はいつでも、強くなることを望んでいたから、強い者に憧れるのは当然のことだと思っていた。
戸愚呂は闘いにしか生きることができないものにとって、一種の理想像なのだろう。武威さんも鴉さんも、その強さに惹かれ戸愚呂につかまってしまった。飛影ちゃんも「幽助にゆずるんじゃなかったぜ」という台詞を吐いているところを見ると、やはり戸愚呂に心惹かれるものがあったようだ。
だけど、強さを得るために戸愚呂が捨てたもの、仲間や人間としての生を、幽助は捨てなかった。それはきっと、50年前に幻海師範が捨てることを拒んだものとまったく同じだったのだろう。
そして、幻海師範は幽助に教え続けた。
なにかを捨てなければ得ることができないような強さは、本当の強さじゃない。自分だけのための強さは本当の強さじゃない、と。
幻海師範は昔、戸惑呂に捨てられた。
戸惑呂がより強くなるために、仲間ともども切り捨てられた者だった。だから、なおさら幽助にはそういうことを強く教えたのだろう。
幽助の「おれは捨てね一!! しがみついてでも守る」という言葉は、幽助が真の意味で幻海師範の後を継いだ、ということを宣言したことになるんだと思う。
幽助はようやく幻海師範の跡継ぎとなることができたのだ。
幽助はきっと、目覚めることが遅れたがために、桑原くんを殺されてしまったことを、悔やみ続けるだろう。もっとも苦しい思い出として、桑原くんの死を抱え続けていくんだろう。
それでも幽助は仲間を守り、仲間に助けられ、そして……これからも苦しい闘いを続けていく。
一度、負けたらおしまいだから。一度、逃げてしまったら、どこへも行くことができなくなってしまうから。
だから、幽助はもう迷わない。自分が歩むべき道をきちんと見定めることができたから。
陣にあんな哀しそうな顔をさせるような(陣の耳がしょぼくれているのを見るのはすっごく哀しいぞ)風はもう吹かせないと思うのだ。

今週の冨樫先生のコメント
矢ガモに同情しながら鶏食う奴がいる。結局ニュースネタなんて外観なんだよな…。

前説→幽遊のこと
後説→幽遊のこと・その3、もしくは、彼らが帰る場所
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tag : 幽遊白書

◆◇◆◇◆ 1993/02/21(日) ◆◇◆◇◆

『幽遊白書』限界への試練!!の巻 感想

今週の心の叫び
この展開はいったい…

不親切なあらすじ

プーちやんにのりうつった幻海師範は、戸愚呂に「幽助の本当の力を引き出したいのなら、やつの仲間を殺せ」と進言した。そして、戸愚呂は必死でそれを阻止しようとする幽助を振り払い、桑原を殺す。哀しみにくれる幽助は、戸愚呂にさむけを感じさせるほどのパワーを発動させるのであった(あのすさまじい展開をこんな短い文章にまとめちやっていいんだろうか……)。

桑原くんが死んだ

桑原くんが死んだ。
桑原くんを守るために戸愚呂と闘おうとした蔵馬と飛影ちゃんを退け、桑原くんはたった一人で戸愚呂に立ち向かい、あっさりと殺されてしまった。
そして、彼は幽助だけに言葉を残した。最愛の雪菜ちゃんへの言葉も、姉である静流さんへの言葉も残さず、ただ幽助だけに言葉を残した。
なんと言ったらいいのか……。あまりの意外さに声も出ない、というのが一番、正しいかもしれない。
どうして? どうして、桑原くんが死んでしまったわけ? えっ? それはないんじゃないの? 冨樫先生も桑原くんはお気に入りのキヤラだって言ってたじゃないですか。
あんまりだ! あんまりだ! 桑原くんを返せ! 晴海かTRCへ行って署名運動するぞ!(言葉も出ないと言ったわりには……)

許せない

幽助は幻海師範が死んだ時「おれは戸愚呂を許さねエ」と言い、桑原くんを目の前で殺された時「誰より自分自身(おれ)が許せね-」とつぶやいた。
両方とも加害者はもちろん戸愚呂で、幽助には何の責任もない。けれど、幽助は桑原くんの死の責任のすべてを自分一人でしよいこむつもりでいる。
静流姉さんも雪菜ちゃんも、そしてもちろん桑原くんも、絶対にそれが幽助のせいだなんて思っていない。そして、それはきっと幽助自身も知っている。
それでも幽助は自分を責める。自分の力が足りなかったことこそがすべての原因である、と自分を責めたてる。
それはしかたないことなのかもしれない。幽助が戸愚呂よりも強かったら、当然、桑原くんは死ななくてすんだ。
だけど、それを言ってしまったら、蔵馬も飛影ちゃんも(絶好調時の飛影ちゃんだったら勝てるんだろうか?)、そして桑原くんも戸愚呂より弱い。おそらく陣と凍矢が力を合わせても戸愚呂には勝てない。そう考えていくと、皆、同罪になってしまう。だから悪いのは戸愚呂だけだ。それ以外の誰も悪くない。
覚えてる? 幽助。幻海師範が死んだ時、コエンマさまに「命をかけた我の張り合いにどのツラさげて横やりいれる気たった」って叱られたでしょ。今回の桑原くんの行動も桑原くんにとっての“命をかけたツッパリ”だった。
桑原くんが言った「根が負けずぎらいでな」っていう言葉は、そういう意味だったんだと思う。
だからね、幽助。あんな、いっきょに10才も老け込んじやったような、苦しそうな顔をしないで。みんなが幽助のことを心配しているよ。

幻海師範の意図

「幽助の仲間を殺せ」と戸愚呂に提案した幻海師範の意図がどのようなところにあるのかは、今のところまったく不明。コエンマさまにすら、その意志を推し量ることはできない。
修羅の世界を生き抜き、桑原くんと同じく、圧倒的な力の差を知りながら戸愚呂に立ち向かって死んでしまった幻海師範のことだから、海よりも深い考えがあるのだろう(そうでなくては桑原くんの立場がない)。
それにしても、幻海師範の「これがおまえの首つっこんだ世界なんだよ、幽助」という台詞にはまいりました。
だってね、幽助は今まできっと、そんなこと考えていなかった。ただ、目の前の敵を倒していくのに懸命で、そんな深いこと考えていなかった。
幽助はなんだかんだ言っても、まだたったの14才なんだよ。考えが甘くてもしょうがないんだよ。推定70才の幻海師範とは人生のキヤリアが違いすぎるんだから。
蔵馬は戸愚呂について「自分と同じ強さを幽助に求めている」って言ってたけど、それはおそらく幻海師範も同じ。
自分と同じ精神的な強さを幽助に求めている。
幽助は幻海師範から霊光玉を受け継いだ瞬間に、幻海師範の弟子ではなく、幻海師範と対等の立場に立つ者になってしまっていた。幽助はあの瞬間に、ただの14才に戻ることができなくなってしまった。
だけど、絶対に幻海師範が戸愚呂と道を違えてでも守ろうとしたものは、幽助か守ろうとしているものと同じはず。ならば、一人が犠牲になることで皆が助かるのならそれでいいじやないかってのは、あまりにも幻海師範らしくない。だから、幻海師範にはなにか深い考えがあるはずなのだ(なかったら幻海師範のファンをやめる)。

命かけてくれたな

私はなぜか桑原くんの「コエンマ。あんた浦飯に命かけてくれたな」という台詞が、気になってしかたがない。
「かけたな」ではなく「かけてくれたな」という言いまわしをしたところに、「うちの幽助に命をかけてくれてありがとよ」みたいな、響きを感じとってしまったのだ。
あの台詞に「自分はコエンマなんかよりもず-っと浦飯に近いところにいるんだぜ」という桑原くんの主張を読みとってしまったのだ。
桑原くんは幽助を倒すことを目標にしていた。今のように行動を共にするようになっても、それはかわらなかった。
けれども、桑原くんがどんなにどんなに強くなっても、幽助はさらにさらに強くなってしまって、二人の力の差は逆に広がっていくばかりだ(ここらへん戸愚呂と武威の関係に似ている)。
それでも桑原くんは打倒幽助を目指して、これからも強くなり続けていくはずだった。もっともっといい男になるはずだった。
だから、冨樫先生。桑原くんを生き返らせて。

今週の冨樫先生のコメント
生きていく上で死ねない理由をよく考える。今はグッピーの子供が可愛くて死ねん。

前説→幽遊のこと
後説→幽遊のこと・その3、もしくは、彼らが帰る場所

tag : 幽遊白書

カレンダ
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プロフィール

ひでみ

Author:ひでみ


職業はプログラマ。
主食はマンガとアニメ。


HIDDEN_ARCHIVE(←『幽遊白書』の考察とか二次創作小説とかを置いてます)

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