◆◇◆◇◆ 1993/10/31(日) ◆◇◆◇◆

『幽遊白書』 「コエンマの本気!!」の巻 感想

今週の心の叫び
幽助が好き!!

不親切なあらすじ

幽助と仙水の対決に割って入ったコエンマは、破られた結界を封じ直すために、みずからの霊気を凝縮した“魔封環”(あのおしゃぶりだ!)を使うという。
コエンマは計画の中止を仙水に求めたが、仙水はその要求を退け、コエンマを殺そうとする。
だが、それで納得できないのは、幽助。
コエンマから魔封環を取り上げ、仙水との闘いを再開させようとする。そして、とうとう仙水の主人格“忍”が、表に現れた。

おしゃぶりの秘密

あのおしゃぶりって、霊気を凝縮して封じ込める道具だったんですねぇ。
霊界人たちは霊気を操るみたいだけど(ぼたんは霊気が使えるものね)、コエンマさまは確か、暗黒武術会の決勝戦で鴉さんに「ほとんど霊気が感じられない」とか言われてたんだよね。
だから、霊界人てのはもともと霊気が弱いのか、それともコエンマさまが巧妙に霊気を隠しているのか、と思ってたんだけど、実はコエンマさまの霊気は全部、あのおしゃぶりが吸いとってたんですね。
う~ん。なんだかよく考えるとこわい話だよねぇ。
だってね、コエンマさまが犠牲にならなければ、あの魔封環が使えないとすると、コエンマさまって、いつか魔界を封じるために死ななきゃいけないんだよ。
閻魔大王さまに許可をもらったって……それって、“暗黒期が訪れる前に死ぬ”許可をもらったってことなわけ? じゃあ、閻魔大王さまはそれを承知でコエンマさまの行動の自由を認めたってことなの?
コワイよ。それはコワイよ。
いけにえになるために生きてるようなもんじゃないか、コエンマさま。
それこそ、仙水さんに負けないくらい、人間たちのために苦労してきて、哀しい目にもあってきて、そして、いつか人間たちのために死んでいくなんて……(人間のためだけでもないだろうが)。

墓掘り7人組の正体

知らなかった……言われるまで、まったく考えもしなかった……。
「オレたち7人で墓を掘る」
結局、仙水さんは誰も必要とはしていなかったのだろうか。樹さんさえものけ者にして、自分の中の自分だけを味方として、生きてきたのだろうか。
それはなんだか……“孤独”という言葉も追い付かないぐらい“孤独”な気がする。
にしても、女性の人格までいたとは……そいでもって、内気で純情で、泣きながら樹さんに悩みを打ち明ける仙水さんなんて……考えたら、真っ白になっちゃったよぉ(健全な青少年の頭がおかしくなっても不思議じやないくらい、不健全な話だ)。
それでも、泣き虫役の“ナル”は、樹さんの前にしか現れなかったんだね。
他の6人の人格のストレスを解消するために存在したであろう“ナル”が頼るのは、樹さんだけなんだよね
それだからこそ、樹さんは“忍”の次に“ナル”が好きなんだと思うの。仙水さんは自分を手放さないという確信を、“ナル”は与えてくれるはずだから(仙水さんてどこまでも樹さんに依存してるんだなぁ……)。

コエンマさまの本気

コエンマさまは多分、仙水さんが計画の続行を選択するという確信を持っていた。
それでも、あえて仙水さんにわずかな望みを托し、計画の中止を迫ったのだ。
コエンマさまはまだ、仙水さんへの信頼を捨てきれない……というか、仙水さんの変化を信じたくないという気持ちを捨てきれない。
コエンマさまの心の中で生きていたのは、綺麗な瞳を持つ、高校生の仙水さんだった。仙水さんは確かに、コエンマさまを魅きつけ、樹さんを魅きつける、魅力的な人物だった。
そして、コエンマさまはそんな過去の仙水さんを忘れ去ることができない。だからこそ、その澄んだ綺麗な瞳に、醜い光景ばかりを映し出させることになってしまった自分の決断を、悔やまずにはいられない。
「共に地獄におちよう」
コエンマさまはなんと、仙水さんと心中する覚悟であったのだ。
コエンマさまは仙水さんを救うことを望み、仙水さんは救われることを拒んだ。
そんな状態で、コエンマさまにできることといえば、仙水さんの罪を、仙水さんと自分の命で精算することぐらいなものだ。
なんだかめっきりと老け込んでしまったコエンマさまの、あのあきらめきったような表情がとっても哀しい。

幽助はやっぱり幽助

コエンマさまから魔封環を奪った幽助の、目のすわりかたがすごかった。
いや、おしゃぶりくわえてる幽助って、めちゃくちゃ可愛いじゃないか(あれは間接××だなんて……そんな恥ずかしいこと……言えないわ(笑))。
あの時のコエンマさまは、苦労して組み上げたジグゾーパズルの、最後の1ピースをはめこもうとした瞬間に、そのピースを奪い取られ、そのうえジグゾーパズル全体をグチャグチャに踏み散らされたような気分だっただろうなぁ。
ああ、そのうえコエンマさまときたら、幽助に殴られて気絶してるし~(コエンマさま、うでっぷしは弱かったのね)。
さっきまでのシリアスはどこへ行ったんや、という気分でございましたが、とにかくうれしかったの……。
コエンマさまが死ななくって、本当によかった。
仙水さんが救われる機会が失われなくて、本当によかった(心中なんかしたって、コエンマさまも仙水さんも、本当の意味では救われない)。
幽助か幽助で、本当によかった。
ああ、幽助が久しぶりに、本当の幽助になってるなぁ(蔵馬の「きれたというよりも……」と言ってる時の顔がすっごく可愛い!)。幽助が本気で怒ってるなぁ。
戸愚呂と闘ってる時の幽助は、ひどく哀しそうだった。神谷医師と闘ってる時の幽助は、ひどくいらいらしていた。
だけど、今週の幽助は違う。
ただ、本気で怒っているだけなのだ。
怒りに理由はいらない。とにかく、幽助は仙水さんが気に入らないだけなのだ。
穴を開けられた腕で、おもいっきし仙水さんを殴っちゃうあたりが幽助。
まわりの迷惑なんかちっとも考えないあたりが幽助。
なにがなんでも、キッチリとケリをつけなきゃ気がすまないあたりが幽助。
うお~! こんなに幽助らしい幽助は、いつ以来だ?
最近、こればっかり言ってるような気がするが、私はやっぱり幽助が大好きだ。
冨樫先生はやっぱりすごい。私が忘れかけていた、本当の幽助の姿を、きちんと私に見せてくれた(冨樫先生が私だけを対象に幽遊を描いているわけではないが、ついそう思ってしまうのが、ファン心理というものだ)。
私はこんな幽助に会いたかった。
だから、私は本当にうれしい!
幽助はちゃんと、怒りを正当な方向にぶつけている。これはきっと、正しいことだ。仙水さんはおそらく、怒りをぶつける方向を間違えてしまっているのだから。
そうだよ、どうにもならないことで、うだうだと悩んでる不健康な大人たちなんかに、健康的な中学生が振り回されることはないんだよ(幽助の考え方は実に前向きで健康的だと思いません?)。
大人たちが勝手をやるのなら、子供だって自分の勝手を主張してもかまわないんだよ。
ある意味、コエンマさまは幽助をないがしろにしていた。自分のつらい立場と仙水さんへの愛情に目がくらんで、自分が選んだ幽助という霊界探偵が、どういう少年なのかということを忘れていたのだ(自分で言ったでしょうが! 幽助はなにも考えずに行動する、頭より先に体が動くバカなんだって)。
幽助には幽助にしかできないことがあるから、それだけをやっていればいいのだ。
仙水さんを救うべきは仙水さん自身だから、幽助が仙水さんを救ってやる義務などはとこにもないのだ(だけど、コエンマさまはそこまで開き直ることができないんだよね)。
行け行け幽助! そんな幽助の行動を、きっと桑原くんも蔵馬も飛影ちゃんも喜んでいるぞ(この3人て、幽助の崩壊と世界の崩壊のどちらかを選べって言われたら、世界の崩壊を選んでしまいそうな気がする(笑))。
それにしても、ようやく現れた仙水さんの主人格である“忍”は、ずいぶんと落ち着いた、澄んだ瞳をしている。これが、樹さんが一番、好きな仙水さんなんだなぁ……とか思ったら、なんだか泣けてきてしまった。

今週の冨樫先生のコメント
仕事場にカマキリ乱入。実物は約15年ぶり。多分メスから逃げてきたのであろう……。

前説→幽遊のこと
後説→幽遊のこと・その2
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◆◇◆◇◆ 1993/10/24(日) ◆◇◆◇◆

『幽遊白書』 「七人いる!!」の巻 感想

今週の心の叫び
おまえは何者だ!?

不親切なあらすじ

幽助の猛反撃に押され気味だった仙水が、一変した。
七重人格者の仙水の、表に出ていた“ミノル”がひっこみ、凶暴な“カズヤ”が現れたのだ。
その“カズヤ”の気硬銃に撃たれ、絶体絶命の幽助、そして、そのピンチに割って入ったのは、ようやくやってきたコエンマたった。

幽助の反撃

ようやくの幽助の反撃ですね。
おもわず外野席も力が入りまくってます(桑原くんは、なぜに眼帯などしているのだろう)。
や-ん、かっこよすぎるわ、かわいすぎるわ、幽助。もうもうもう、どうしてこんなに素敵なのかしら、幽助は。
それでもって、泳ぎながらわめく幽助かメチャメチャ愛しいの~。
ああ、「確認せんでもバカだ」なんて、ひどすぎるわ飛影ちゃん。幽助は深い考えがあってあんなことしてたのよ~(だけど、泳ぐ幽助を見て大爆笑してた私は、飛影ちゃんのことをバカにできない)。
それにそれに、水から出てきた幽助のなんて可愛いこと!
いいぞ! 前髪が下りてきてるぞ! このまんま全部、下ろしてしまえ!
と、1人で興奮していた私って、本当におバカですね(だって、前髪を下ろした幽助って本当に可愛いのに、最近、ちっとも出てこないんですもの)。
だけど仙水さん、体力回復のための時間稼ぎなんて言ってるけど、泳いだら余計に体力を消耗しちゃいそうな気がするんですけど……。

許せない!

とまぁ、そんなわけで、異常に幸福だった今号の幽遊の前半。
それなのに、ああ、それなのに……。
なんなんですか、冨樫先生! あの展開は。
仙水さんが七重人格者?
そりゃ、反則だ! 詐欺だ! ひどすぎるぞ!
幽助かあんなにボロボロになっちゃって、もう、前半部分でうかれきってた私は、一挙に血がひく思いでしたよ。
ああ、今さら冨樫先生のフェイントにひっかかる私が哀しい。
どうしてくれるんだ~。
幽助、すっごく痛そうで、私、もう涙出ちゃいそうだったわ。
おまけにおまけに“カズヤ”のあの台詞……あれは立派なセクハラ(おいおい)よ、許すまじ“カズヤ”!
私、幽遊で初めて、心底、憎らしいキャラに出会いましたわ。もう絶対に“カズヤ”だけは嫌い、“カズヤ”だけは許せない。
大事な大事な主役の幽助に、なんてことすんのよ!(いや、主役だからこそ、痛めつけられるんですけどね)

七人の仙水

仙水さんて、七重人格だったんですね~。
なんというか……樹さんは愛しいし、高校生の仙水さんも好きだけれど、現在の仙水さんには、私、あんまり愛着がないんですよね。
なんたか、すっごく情けなくって……。
仙水さんて、結局のところ、樹さんの期待通りに動いてきたわけでしょ?(仙水さんは、樹さんの思い通りに絶望し、転落し、破滅したんだもの)
だから、樹さんの思い通りに動くんじゃない。樹さんの期待など裏切ってしまえ。そして、期待通りに動かない仙水さんだけど、それでもついていくと樹さんに言わせてみせろ、とか思ってた(あくまでも、仙水さんと樹さんはワンセットにしておきたいわけだな)。
仙水さんは七つも人格をつくってしまうほど疲れきっていたのに、樹さんは仙水さんを助けようとはしなかった。
どうして、そんな凶悪な樹さんの正体がわからない!
もし、樹さんの本性を知っていて、それでも側にいて欲しかったのなら、樹さんに反抗してみせたうえで、「おれはおまえの思い通りになんか動かない。それでもおれにはおまえが必要だから側にいろ」とか言ってみせなさいよ。
樹さんはいつでも、仙水さんのいい逃げ場所だった。だから、仙水さんは一度、そんな居心地のいい場所から飛び出さなきゃいけない。
いい加減、巣離れしなさい。そうしたら好きになってあげるよ、仙水さん。
私がどうしても仙水さんが好きになれなかった理由がようやくわかった。
仙水さんは逃げてばっかりで、幸せになるための努力をまったくしていない(私の目から見ての話だが……)。
仙水さんは自分を救う努力をしなけりゃいけない。御手洗くんみたいに、自分を救ってくれと叫ぶだけでもいいから、とにかく自分が幸福になるためにはどうすればいいのかを考えなきゃいけない。自分には幸福になる権利があるのだと、主張しなければいけない。
他人事だからそんなことが言えるのだと言われるかもしれないが、私は現在の仙水さんが哀しいと思う前に、情けないと思ってしまう。
仙水さん、お願いだからもっと強くなってよ、もっと大人になってよ。
今のまんまじゃ、みんなが不幸になっちゃうよ。
ああ、話が思いっきりそれましたね(おまけに仙水さんと樹さんのファンにケンカ売るようなこと言ってるぞ)。元に戻しましよう。
とにもかくにも、どこまでも逃げ続ける仙水さんは、罪をなすりつける人物を自分の中につくりあげてしまうという大技で、自分の中にまで逃げ場所をつくったということにならないか?
もうもうもう、なんなのよこいつは。だんだん腹がたってきたぞ(いつになく過激な内容ですみません。幽助への愛と、仙水さんへの怒りの相乗効果であれてるんです、今)。

コエンマさまと“忍”

なにをしてんだ、コエンマさま! あんたの大事な幽助がボロボロにされてんのよ! とか叫んでいたら、本当に登場しました、コエンマさまが。
それにしても驚いたのは、コエンマさまが仙水さんを「忍」と呼んだこと。
そりやあね、幽助のことを「幽助」って呼んでるんだから、仙水さんのことを「忍」って呼んでもおかしくないわよ。
だけど、ず一っと「仙水」って呼んできて、土壇場になると「忍」になるわけ?(それとも、コエンマさまは“忍”という人格に対して呼びかけたのかしらねぇ)
ああ、コエンマさまと仙水さんの関係って、一体……。
ところで“忍”ってどういう性格なんでしょうか?(私が仙水さんだと思っていたのは、どうも“ミノル”のようだけど)
高校時代のあの仙水さんがそのまま大きくなった人格が“忍”だとしたら、ちょっとは期待できるんだけどなぁ。
だけど、樹さんもすごいよねぇ。こんな七重人格男なんてさぞ扱いづらかったろうに……(私だったら絶対につきあいたくないぞ)。

今週の冨樫先生のコメント
SF/C人生劇場ドキドキ青春編を“幽助”でやってみた。見事立派な泥棒になった…。

前説→幽遊のこと
後説→幽遊のこと・その2

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◆◇◆◇◆ 1993/10/17(日) ◆◇◆◇◆

『幽遊白書』 「勝てない理由その1~3!!」の巻 感想

今週の心の叫び
幽助の出番だ!!

不親切なあらすじ

幽助と仙水の対決が始まった。
スピードとパワーで勝る幽助に対し、仙水はキャリアと圧倒的な霊力で対抗する。さて、その決着はどうなる?(要するに、今号のストーリーなんて、“幽助と仙水がケンカしてる”だけで済んじやうのよ!)

2人の霊界探偵

えっと、先号の展開があまりにもあまりにもで、ついつい仙水さんと樹さんのことだけでうめてしまい、あの最高にかっこよかった幽助について書くことができませんでした。
もう、くやしくって仕方ないので、ここで書いてしまいますね。
いや、先号の幽助のかっこよかったこと、かっこよかったこと!
そうだよね。幽助ってのは、ケンカの相手やケンカをふっかけられた理由にこだわるような子じゃなかったんだよね(なにせ、“人類皆ケンカ相手”をキャッチフレーズにしてる子だから)。
だからもう、仙水さんみたいに歪みきった理論が、どうしても理解できない。「人間がキライだから殺すんだ」って言われた方が、まだ納得できるかもしれないね。
コエンマさまが仙水さんに懲りて、幽助を選んだ気持ちがわかるような気がするなぁ(笑)。
墓掘り7人組との戦いで、幽助だって相当に気が滅入っている。月人くん事件で傷を負ってしまったのは、蔵馬だけじゃない。きっと、幽助だって御手洗くんだって、少なからぬショックを受けたことだろう(飛影ちゃんは受けていないだろうけどさ)。
その全部が全部、最初っから自分と仙水さんが一対一でやりあっていれば、避けられた事態だったのかもしれないと思えば、そりゃ、腹も立つってものだろう。
幽助と仙水さんは、まったく別々の性質を持つ、まったくの別人で、彼らの共通点といえば、コエンマさまのもとで霊界探偵をやっている(やっていた)ということぐらいなものだ。
だから、彼らが同じ経験をしても、同じ道を辿るとは限らない。
けれど、それだけの理由で、なぜか仙水さんは幽助が自分と同じ道を進むと、信じてしまっているような気がする。
それとも、幽助は自分と同じ道を進まねばならない、そうでなければ困るとでも思っているのだろうか?
なんだかんだ言って、ただ目の前の障害物をぶんなぐってるだけの幽助(あんまりといえばあんまりな表現だけど、実際、そうだと思いません?)のシンプルさに比べ、仙水さんはひどく“自分の存在価値”だとか“闘う意味”だとかにこだわっているような気がする。
存在するための価値なんか問題じゃない、存在すること自体に価値がある、と開き直ってしまうようなずぶとさを、仙水さんは持ち合わせていないのかもしれない。
仙水さんは強い霊力を持っていたがゆえに不幸になってしまったのではない。みずからの精神の弱さを、肉体の強さで補って、ここまでやってきてしまったこと(というか、やってこれたこと)こそが、彼の不幸なのだ。
肉体がいかにタフでも、精神がちっともタフになれない(幸福な人生を過ごすためには、精神のタフさは絶対に必要なものだと私は思うのだ)。そんな、心の弱さと肉体の強さのアンバランスこそが、仙水さんの魅力なのだと、樹さんは言うかもしれない。けれど、私から見ればそんな仙水さんはただ痛々しいだけだ。
仙水さんは高校生の頃から、ちっとも進歩していない。彼の時計はきっと、あの事件の時に止まってしまった。仙水さんはみずから、大人になることを拒否し、人間全体を拒否したのだから。
たけど、幽助は目の前のすべてをしっかりと受け止める。まだまだ、すべてを割り切ることができるほど大人にはなっていないけれど、少なくとも逃げることもしなければ、絶望するようなこともない(そんな事態になれば、飛影ちゃんが黙っていないしね(笑))。
仙水さんは、だだをこねる子供のようであり、人生に疲れてしまった老人のようでもある(明るい人生を送りたいとは思わないのか!)。

幽助がかわいいなぁ

ケンカの場面ともなれば、幽助はがぜん、元気になってまいりますね。
応援する桑原くんもなんだかやけにうれしそうよ(笑)。いや、今まで桑原くんが、幽助にどんだけヒドイ目にあわされてきたかが、よくわかっちゃったわ(それでも親友やってる桑原くんて、よく考えてみるとスゴイ子だわね)。
幽助、「うそつき!!」だとか「子供か、テメーは!」とか、叫んでしまうこと自体が、自分が子供なんだと証明してるってわかってる?
ま一ったく、なんであなたってばこんなに可愛いのよ。
それに、岩にへのへのもへじを書く余裕なんて、一体、どこにあったのよ(それよりも、幽助かペンを持っていたことの方が不思議だ)。
しっかし、生まれつき強い霊力を持っていた仙水さんと、つい最近、霊力を操りはじめたばかりの幽助には、こんなにも霊力値の差があったんですねぇ(こればっかりはどうしようもない)。
それにしても、ここのところの展開のめまぐるしさにくるくるしていた私は、今週の幽遊を見てホッとしてしまいましたよ(全然、ホッとできるような内容ではないのだが、なんだか久しぶりに平常心で幽遊を読んだような気がする)。

今週の冨樫先生のコメント
『幽遊』の新企画が水面下で進行中。近々発表するので、楽しみにしていて欲しい…。

前説→幽遊のこと
後説→幽遊のこと・その2

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◆◇◆◇◆ 1993/10/08(金) ◆◇◆◇◆

『幽遊白書』 「魅きつける理由!!」の巻 感想

今週の心の叫び
あ……あやしい……

不親切なあらすじ

巻原=戸愚呂(兄)が倒れ、残る敵は仙水と樹の2人だけとなった。
とりあえず、仙水は桑原を解放したが、今度は幽助を除く全員が、樹のペットである妖怪“裏男”に喰われてしまう。
樹は“闇撫”と呼ばれる妖怪であったのだ。
そして“裏男”の中で、桑原、蔵馬、飛影、御手洗そして樹は、幽助と仙水の闘いを見守ることとなったのだった。

かわいい妖怪たち

邪念樹って、すっごくかわいい走り方するね~。よく見てみるとかわいい顔してるし(笑)。
さすがに蔵馬。見苦しいものをいつまでも目の前に置いておかない!(徹底してるなあ)
裏男ってのも妙に愛らしい(え~っ、そう思いません?)。
こんなものをペットにしてる樹さんて、やっぱりいい性格してるねぇ(いや、邪念樹をペット(?)にしている蔵馬も相当なものだけど)。

仙水さんと樹さん

樹さんて妖怪だったんですね~。
10年前からほとんど年をとってないように見えたのも、彼が妖怪だったからなんですね。
だけど、あの気配に敏感な蔵馬が、どうして樹さんが妖怪だってことに気づかなかったのかが、よくわかりません(樹さんの妖気の隠し方がそれだけうまかったのかしら?)。
ああ、樹さんのフルネーム問題もボツですね(妖怪ではねぇ)。ちょっと残念。
「『ヒットスタジオ』に戸川純が出る」ってのは、確かに意表をついた台詞で、おもわず笑ってしまいましたよ、私は。
そうか、樹さんは戸川純がドハデな格好で『玉姫様』とか歌うのを楽しみにしてたのか~、とか思っちゃって(ここらへん、若い子にはさっぱりわからない話ですね)。
それでもって、その翌日、あの可愛い仙水さんと樹さんが肩を並べて『ヒットスタジオ』を見てる姿を想像して、肩をふるわせてしまいました(すっごく可愛い! 誰か私に描いてみせてください)。
おまけに仙水さんも存外にミーハー。『ヒットスタジオ』を毎週キッチリと見てるなんて(一体、誰のファンだったんだ?)。
大体、その後、小一時間ほど雑談をしたって、一体、なんの話をしてたんでしょうね。
ずっと『ヒットスタジオ』の話をしてたのか、それとも互いの身の上話をしてたのか……なんだか、考えるとすっごくおかしい。
だけど、本当にあの仙水さんは可愛いねぇ。樹さんが一目ぼれ(?)した気持ちがよくわかるわ。
可愛いくって可愛いくってしかたなくって、あの1コマだけをみつめて、ニヤニヤ、ヘラヘラとどうしようもないですよ(本当に大馬鹿……だけど、それっくらい可愛かったんだもの)。
もうもうもう、どうしてこんなに可愛い子が、あんなふうになっちゃうわけ?
そいでもって、樹さんを気に入っちゃった仙水さんは、コエンマさまに樹さんをパートナーにするように進言したんでしょうね、きっと。
そして、それをコエンマさまは受け入れた、と。
コエンマさまって、霊界探偵の助手に妖怪を使うのが好きだね~(蔵馬と飛影ちゃんも、コエンマさまのはからいで幽助の助っ人になったんだもんね)。
だけど、正直、この仙水さんと樹さんの関係を知って、妙に納得してしまいましたよ、私は。
なんとゆ-か……樹さんの“ひたすら仙水さんに従順な人”像が崩れた時点で、じゃあ、なぜ樹さんは仙水さんを止めなかったのか、ということを考えた時、樹さんが仙水さんの言いなりになるような人物ではない以上、みずからがすすんで仙水さんに手を貸しているとしか、考えられないなぁと思ったんですよ。
まぁ、どういう意図でもって、すすんで手を貸すなんてことをしてるのかは、さっぱりわからなかったんですけどね。
しかしまぁ……この2人の関係が、こんなに単純明快で、しかも歪みきってるとは……。

仙水さんの素顔

仙水さんて、すっごくまっすぐな人なんだと思う。
まっすぐすぎるから、一度、こうと決めてしまったら、もう別の見方ができない。
幽助なんかは単純だから、幻海師範に殴られて「そうじゃないだろ!」とか言われれば、「そうか~」なんて、ころっと考えを変えちゃうようなところがあるけど、仙水さんはそこまで柔軟な頭は持っていない。
だから、妖怪は悪だと決めつけてしまったら、なにがなんでも妖怪は全部、悪者だし、人間は生きるに値しないと感じれば、すべての人間を殺してしまおうとする。
仙水さんは、許すことを知らない。忘れることも知らないし、逃げることも知らないし、負けることも知らない。
彼は立ち止まらない。周囲を見渡す余裕もなく、ただひたすらに走り続ける。
ある意味、見事な欠陥人間だけど、自分でそれを矯正しようとしなかった(矯正しちゃいけないと思っていたような感じもする)し、矯正してくれる人が現れることもなかった。
妖怪と人間をくっきりと色わけしていた仙水さんは、妖怪である樹さんの中に“人間”を見いだした。
すべての妖怪を殺そうとした仙水さんが樹さんを殺さなかったのは、樹さんは“人間”であると、彼が判断したためなんだろう。
仙水さんはどんな気持ちで、樹さんをパートナーにしたんだろうね。
たけど、仙水さんてば人間にも友達がいなかったような感じがするから、人間でも妖怪でもない存在として、樹さんを受け入れたのかもしれないなぁ。

樹さんの素顔

「時限爆弾と恋人をいっぺんに手にいれた」
この表現て……本当にあやしい……(仙水さんが爆弾だとすると、そのスイッチを押してしまったのは、コエンマさまということになるんでしょうかね?)
樹さんはずーっと、仙水さんが爆発するのを待っていた(その爆発に自身が巻き込まれる可能性があることを知っていたに違いないのに)。
恋人さながらに仙水さんに寄り添い、仙水さんをみつめ、仙水さんのことばっかり考えて生きてきた(もう、すみからすみまで、あやしいやつらだわ)。
その樹さんの仙水さんにかける執着は、相当なものだったんだろうと思う。
樹さんにとって仙水さんは、ただ見守るだけの者であって、共に生きる者ではなかった。だから、仙水さんがなにをしようとも、樹さんは彼についていくだけでよかったのだ。
だけど、それは樹さんにとって仙水さんがその程度の存在だった、ということを意味するわけではない。樹さんにそういう誰かと共に生きるという観念自体がなかっただけで、結局のところ、仙水さんは樹さんのすべてであったのだろうと思う。
樹さんはやっぱり歪んでいる。
仙水さんの不幸の一因は、その歪んでいる樹さんに見込まれてしまったことだ。
2人のあいだに愛情とか友情とか呼べるものは存在しなかったのかもしれない。だけど、強い絆は確かに存在しているし、2人ともそれを断ち切るつもりなんて、毛頭なかったに違いない。
妖怪嫌いの仙水さんは、“人間”くささを持った妖怪である樹さんを殺さなかった。そして、人間嫌いになった仙水さんは、“妖怪”である樹さんだけをそばに置いた。
樹さんはいつでも、仙水さんにとって都合のいい存在であり続けた。
樹さんは仙水さんを否定しない。そのすべてを肯定してくれる。なんでも言うことを聞いてくれる。自分を責めたてたりしない。なにがあってもそばにいてくれる。
誰も触れていない新雪を血と泥で汚すという快感に浸っているのだと、樹さんは言う。だけど、それだけの理由で、樹さんが仙水さんにこだわり続けたわけではないと思いたい(それでまた、月人くん事件の時みたいに落ち込むことになるかもしれないけどね)。
仙水さんがあの事件で、自滅してしまわなかったのは、樹さんという心の支えがあったためかもしれない。けれど、仙水さんはあの時、1人で破滅しなかったかわりに、今は樹さんと2人で破滅の道を辿ろろとしている(この2人だったら、無理心中ぐらいしそうでコワイわ)。
きっときっと、仙水さんは救われない。幽助には、ここまでの歪みを修正するだけの力はきっとない。
そんな確信めいたものが私の中にはあって……とっても衰しくなってしまった(それでも、仙水さんは樹さんに救って欲しいなあ)。

今週の冨樫先生のコメント
季節の移り変わり。体調に悪い方向の変化が…。苦痛と戦いながらの執筆は続く。

前説→幽遊のこと
後説→幽遊のこと・その2

tag : 幽遊白書

◆◇◆◇◆ 1993/10/03(日) ◆◇◆◇◆

『幽遊白書』 「正体は誰だ!?」の巻 感想

今週の心の叫び
蔵馬はやっぱりコワイ

不親切なあらすじ

ムチのひとふりで巻原を倒した蔵馬。
だが、巻原を動かしていたのは、彼に喰われたはずの戸愚呂(兄)であったのだ。
しかしその戸愚呂(兄)も、怒りに燃える蔵馬の敵ではなかった。
かくして、戸愚呂(兄)は邪念樹に捕らわれ、死ぬこともできないままに、永久に蔵馬の幻影と闘い続けることとなったのだった。

復活の戸愚呂(兄)

さすがにしぶとい戸愚呂(兄)ですね。
なんと、喰った巻原を逆に乗っ取ってしまうとは……だから、あんなゲテモノ喰いはやめときゃよかったんだよ、巻原。
これはもう……白虎じゃないけど、史上最低の食あたりというやつですね。
だけど、こうなってくると気の毒なのは、巻原。
どういう意図で仙水さんたちに手を貸したのかは知らないけれど、やっぱりちょっとかわいそうすぎる。
あっ、巻原がやたらと桑原くんを喰いたがってた理由がようやくわかりましたね。
ほら、戸愚呂(兄)は桑原くんには決勝戦でぺしゃんこにされた怨みがあるから。きっと、なにがなんでも仕返ししてやりたかったんですよ(執念深いヤツだからね~)。
だけど、桑原くんが喰われる心配がなくなって、ようやく安心いたしましたわ(だけど、巻原の腹を幽助か蹴ったら、桑原くんが巻原の口から飛び出してくるという“セルと18号説”がつふれたのは残念だったなぁ)。
ああ、それにしても、あごから上が戸愚呂(兄)で、それから下は巻原という図は、グロくってしかたがない(だいたい、最初のページからしてグロかったんだよ)。
巻原も自分の肉体をこんなふうに扱われては、泣くに泣けないだろうなぁ。
それにしても、蔵馬ったらさすがにお狐さまだねぇ。鼻が異様に鋭いんだ(蔵馬ファンに怒られそうな発言だわね)。

蔵馬を怒らせるな!

以前より、幽遊の最強キャラはもしかしたら蔵馬かもしれないと思っておりましたが、今週の幽遊を見て、その思いをさらに強くしてしまいました。
さすがに、あの飛影ちゃんに「敵にまわしたくない」と言わせるだけのことはありますね。
先号で蔵馬が妖狐になりかけていると書いたんですが、今週の蔵馬はまさに妖狐の本性むきだしといった感じでした(蔵馬が煙を出した時は、本気で蔵馬が妖狐さまに変身するんじゃないかと思った)。
ああ、それにしても今週の蔵馬は美しすぎますね。
もうもうもう……なんなのよ! 綺麗すぎるぞ、蔵馬! なんて貴方はこんなに血みどろな姿がよく似合うのよ!(飛影ちゃんの血みどろの姿は痛々しいだけである)
「今、何かしたか?」
あの蔵馬の凄絶な美しさときたら……もう、くら-っときちゃいましたよ。
蔵馬は本気で怒るとこわいね-(幽助もビビッてたぞ)。
向かうところ敵なし! って感じよ。なんてったって、蔵馬の冷たいまなざしにみつめられただけで、弱い者たちは硬直してしまうんじゃないのかしら。
ところで、はなしはころーっと変わりますが、私、桑原くんの「ふはひゃほんひへりゃもべ、はんひははふへひへひへひ」という謎の言葉がどうしても解読できませんでした。
誰か翻訳して私に教えてくたさいませんか?(それにしても桑原くんてば、結構、すごい縛られ方をしてるなぁ)。

残るは2人

とうとう、仙水さんと樹さんだけになってしまいましたね。
来週はきっと樹さんのご出馬ということになるんでしょうが、一体、樹さんの本心というものは、どこにあるんでしょうか?
樹さんが幽助たちをどうしたいのかではなく、仙水さんをどうしたいのかが、私にとっては大問題です。
樹さんが仙水さんのパートナーだったということは、コエンマさまともお知り合いだったと思われるんですが、コエンマさまはいったい、仙水さんたちをどうするつもりなんでしょうか?
なんだか、ストーリーはクライマックスに近付いてきてるのに、謎は増えるばっかりでちっとも解決しませんねぇ。

今週の冨樫先生のコメント
推理小説を読む。仕事で中断。人物関係忘れる。はじめから読む。また仕事で中断…!

前説→幽遊のこと
後説→幽遊のこと・その2
カレンダ
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ひでみ

Author:ひでみ


職業はプログラマ。
主食はマンガとアニメ。


HIDDEN_ARCHIVE(←『幽遊白書』の考察とか二次創作小説とかを置いてます)

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