◆◇◆◇◆ 1994/03/27(日) ◆◇◆◇◆

『幽遊白書』 「それぞれの一年 蔵馬 前編」 感想

今週の心の叫び
こういう蔵馬って好き!!

不親切なあらすじ

母・志保利の新婚旅行と夏休みを利用して、参謀として魔界に来た蔵馬を待っていたのは、妖狐であった頃の彼の腹心・黄泉であった。
そして黄泉は、かつての蔵馬の裏切りと両親をたてに、蔵馬の協力を得ようとするのだった。

秀一in魔界

蔵馬って、秀一のままで魔界にいられるんですね。
これって、秀一の妖化がかなりすすんでるってことなのかしら?
それとも、存在するだけなら別に秀一のままでもかまわないってことなのかしら(戦いがないのなら、妖狐さまになる必要はないのかもしれない)。
だけど、魔界に入っちゃったら秀一の蔵馬が見られなくなるのね……と、ちょっとさびしく思っていたので、まだ秀一のままってのは、かなりうれしかったです。
それにしても……やっぱり蔵馬ってすごい性格してる。
魔界の3巨頭の1人である黄泉の参謀役を、夏休みの1ヶ月間だけという期限つきでやる?
あんたはアルバイターか!(笑)
こんなわがままな条件つけるわ、自宅と魔界を電話でつなぐわ、母親だまくらかして海外にとばしちゃうわ、強引なことこのうえない……(苦笑)。
本当にいい性格してるわ。
だけど、かなりうれしかったのが、幽助が志保利母さんの結婚式に出られないと詫びていたことを、蔵馬が本気でうれしがってたこと。
幽助のこんなささいな一言を、本気で喜んでる蔵馬って、すっごくかわいいじゃないですか!(で、どんどん幽助ハーレム化がすすむと……(笑))

No.2の座

幽助を迎えに来たあの妖怪さんは北神さんという名前だったんですね。
いや雷禅さまって実はものすごく幽助を丁重に扱ってましたのね。
だってNo.1が死にかけているという非常時に、わざわざNo.2を人間界まで送り出すってのは、結構すごいことだと思いませんか?
雷禅さまって幽助にきちんと礼をつくしてる。
ただ迎えにいくだけなら、何もNo.2を出すことはないと思いますもの。
しかし、幽助は半年後にはNo.2かもしれないが、1年後にはNo.1だぞ……多分。
で、飛影ちゃんは77人ごぼうぬきで、No.2になるのね。
しかし、気になるのは蔵馬がわざわざ「No.2が全て入れかわるだろう」と言ってるところ。
幽助や飛影ちゃんを評価して、No.2になるってのはともかく、では黄泉のNo.2は誰になると思ってるわけ?
あれは、自分がNo.2になるって意味なの?
だけどそれって、1ヶ月きりと期限を切って魔界に来ているということと、矛盾するんじゃないの?
よくわかんないわ。
けれど、“No.2は捨て石”ってのは、ちょっとはずれね。
黄泉は蔵馬を捨て石にするだろうけど、骸は飛影ちゃんを捨て石にはしないような気がするし、幽助にいたっては雷禅さまの後継者だから捨て石にされる可能性は皆無だと思うわ(北神さんが自分から捨て石になるという可能性は高そうだけど)。

貸しと借り

いや、あの蔵馬があれだけ動揺していたのには、立派な理由があったんですね。
そうか……あの時、蔵馬は自分の過去の悪事を思い出して、冷や汗かいてたわけだ(それで飛影ちゃんの気配にも気づけなかったのね)。
ははっ、妖狐さまってば最高!(大笑)。
やっぱ、妖狐さまはこれっくらい鬼畜でないとね(この発言で、何人の蔵馬ファンを敵にまわしただろうか(苦笑))。
なんか、まさしく妖狐さま……な悪どさに、おもわず拍手してしまった私って……。
けれど蔵馬……これだけひどいことをしときながら、“借りがある”とは何事だ。
ここまでやったのなら徹底しろ!
記憶にないなあ、とかとぼけて無視すりゃいいのに、それをしなかったってのは、やはり秀一の甘さですかね。
妖狐と秀一が蔵馬の中でせめぎあってる感じがするわ。
どちらかに徹底できれば、そりゃあ楽なのに、それができないってのが蔵馬の不幸ね。
それにしても、昔の黄泉って、顔も性格も情けない……。
こんなやつをよく副将にしてたな蔵馬! といった感じです。
しかし、あの妖狐さまにも国を興そうとがんばっていた若い頃があったのね。
だって、こういう野望を持つのって、相当に精神が若くないとできないような気がしますもの。
ああ、だけど今週の蔵馬って最高に美人!
どのコマもどのコマもほれぼれする美しさ……。
秀一も妖狐さまもすばらしすぎるわ。
私ってなんだかんだ言いつつ、陰険に腹のさぐりあいをやってる蔵馬が大好き!(悪趣味だとは思うんだけどね)
黄泉って、やっぱり蔵馬を怨んでるわけではないと思う。
その機会があるのなら、仕返しをしてもいいな……って感じ。
それを考えると、今回のはまさしく一挙両得!
蔵馬に仕返しはできるわ、優秀な参謀は手にはいるわで、ほくほくですね(笑)。
しかししかし……ある方があまりにも的確に黄泉のことを表現してくださったので、おもいっきりパクらせていただきたいと思います。
いわく「黄泉って、ダンナにこれ以上はないってくらい手ひどく裏切られて、愛情なんてどこにも残っていないのに、それでもいやがらせのためだけに離婚届にハンコを押さない妻みたい」。
これを聞いた時、私はあまりのはまりようにおもわず絶句してしまいましたよ。
そうか……離婚届をふりかざして「別れてなんかあげないわ!」と言って、ついでに過去のひどい仕打ちを延々と並べ立ててるのが黄泉で、なんとか別れたいと懸命になってるけど、自分が一方的に悪いという自覚はあるので、なかなか強気にでられないのが蔵馬なのね。
……想像しただけで……倒れそう(大笑)。

今週の冨樫先生のコメント
春が近づいている今日この頃、仕事している時も、それ以外の日も、眠い眠い毎日が……。

前説→幽遊のこと
後説→幽遊のこと・その3、もしくは、彼らが帰る場所
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◆◇◆◇◆ 1994/03/26(土) ◆◇◆◇◆

『幽遊白書』 「それぞれの一年 飛影 後編」 感想・その2

この記事を読む前にまずこちらをお読みください『幽遊白書』 「それぞれの一年 飛影 後編」 感想

先週の幽遊のあまりの展開と、文章を読んでいればイヤでもわかる、私の飛影ちゃんへの溺愛ぶりのおかげで、たくさんの方々から「ひでみさん、生きてますか? 大丈夫ですか? 気を落とさないでくださいね」という暖かい激励のお言葉をいただきました。
そこで、あれから1週間近く経った現在の、私の考えを書いてみることにいたしました。
またまた幽助×飛影がらみなおはなしになってしまうので、それがお気に召さないという方は、ここから先は読まないでくださいませ。

いろいろな方々から、直接的、間接的に様々なご意見をうかがいまして、私なりにいろいろなことを考えまして、1週間の間にかなり考えが変わってまいりました。
基本的に変わらないのは、飛影ちゃんは厳しい世界を生きるには、精神的にひ弱すぎる! という私のかなり以前からの考えです。
飛影ちゃんはどうも、私が持っている“生きてりゃそのうちいいことがあるさ”という、実にいいかげんな人生哲学(というほど大げさなものでもないですが)を持ち合わせていないようです。
飛影ちゃんは常に“現在”だけをみつめて生きてきました。飛影ちゃんの頭の中に“未来”は存在しなかったのです。
飛影ちゃんは子供だから、“目的”と“目標”の違いを知らないようです。
人(妖怪)は“目的”だけでは生きていけないと私は思います。
生きていくには“目標”が必要なのです。
“もっと幸せになってやる!”でも“もっと強くなってやる!”でもなんでもいいから、とにかく絶対にたどりつくことのない“もっと”がないと、生きていくのはなかなか大変です。
そして、幽助がそばにいた時の飛影ちゃんは、“目的”を一時、たなあげ状態にして“目標”のために生きていたと私は思っています。
“目的”は達成されればそれで終わりだけれど、“目標”は常に辿りついたその先に存在します。
飛影ちゃんは幽助を“目標”にしていました。
追いかけても追いかけても、常に幽助は飛影ちゃんの一歩先に存在していました。
たまに幽助が後ろにたつようなことになると、飛影ちゃんはその背中を押してでも自分の前に立たせました(『頭を冷やせ!!』のことね)。
飛影ちゃんは無意識のうちででも、幽助がいれば“目的”なしでも生きていけることを知っていたのです。
そして飛影ちゃんは、幽助が目の前から姿を消した途端に、“目標”を見失ってしまいました。
飛影ちゃんは目に見えないものを信じきることができるほど、強くはないのです。
ならば案外、幽助が目の前に現れれば、すぐに“目標”が復活し、またあの力にあふれた飛影ちゃんに戻ってくれるんじゃないかと、かなり楽観的な気分に私はなっています。

飛影ちゃんはまだ子供です。
氷泪石=母親の残留思念にすがって生きている親離れすらすんでいない子供です。
そして、その氷泪石も飛影ちゃんに“生きる”ことを教えてはくれませんでした。
氷泪石には氷菜さんの“愛情”がつまっているけれど、それは決して氷菜さんのかわりに飛影ちゃんをひざにのせて、“生きることの楽しさ”を語ってはくれないのです。
だから私は飛影ちゃんにむかって、もう死んでしまった母親なんかにすがるんじゃない! どうせなら幽助にすがりつけ! と叫ぶのです。
私は幽助という存在の“強さ”を信じています。
飛影ちゃんはきっと幽助が救ってくれます。
飛影ちゃんに与えられるべきだった、「貴方に生きていて欲しい。貴方に幸せになって欲しい」という氷菜さんの言葉を、幽助はかわりに伝えてくれると思います(実際に言葉にするかどうかはわかりませんが)。
私の愛はいつでも一方通行で、飛影ちゃんに私の「生きていて欲しい。死なないで欲しい。幸せになって欲しい」という想いは、決して飛影ちゃんに伝わりません。
それはとてもつらくて哀しくてはがゆいことだけれど……私はその想いを幽助に托すことにしたのです。
極論を言えば、飛影ちゃんにその言葉を与えてくれるのなら、それが誰であってもかまいません。
いっそのこと骸でもかまわないのです。
骸は飛影ちゃんにとって本当に必要なものを与えてはくれないだろう、という考えはいまだ変わりませんが、それでも、骸は幽助が与えることのできない何かを、飛影ちゃんに与えてくれるような気がします。
そして骸は現在、どんなかたちであろうとも飛影ちゃんを生かしてくれています。
今は“目的”だけでもよいのです。
飛影ちゃんがそれで生きていけるのなら、私は今は飛影ちゃんを骸に托します(……って、自分勝手なことを……)。
骸は骸なりに飛影ちゃんを愛してくれると思います。
そして私は飛影ちゃんを愛して、大事にしてくれる人は無条件で好きになってしまいます。
だから私は……骸が好きかもしれません。

私は見守ることしかできないから……せめて、ひたすらに見守り続けているのです。
幽助の強さが飛影ちゃんを救ってくれる瞬間を、飛影ちゃんが本来の生命力を取り戻す瞬間を、ひたすらに待ち続けているのです。
いつか、飛影ちゃんは氷泪石なしでも生きていけるようになります。氷泪石を手に入れたぐらいで満足して死んでいくなんて馬鹿馬鹿しい、と言ってくれると思います。
そして、「生きたい」と「幸せになりたい」と心の底から願った時にこそ、雪菜ちゃんに自分の正体を告げるんじゃないかと思います。

そんなわけで私は、幽助と骸を信じる、という手段でもって立ち直りました。
この祈りにも似た確信が崩れ去った時、私はそれこそ、「幽遊はもう読まない!」と言って倒れこんでしまうでしょうが、とにかく私は信じ込むことにしたのです。
飛影ちゃんだって生きたいのです。
飛影ちゃんだって幸せになりたいのです。
だから……いつか飛影ちゃんは幸せになると……私は信じています。
だから……幽助……飛影ちゃんを救ってくれなかったら、ファンを絶対にやめるぞ!

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◆◇◆◇◆ 1994/03/18(金) ◆◇◆◇◆

『幽遊白書』 「それぞれの一年 飛影 後編」 感想

今週の心の叫び
ひータンのアホ~!!

不親切なあらすじ

飛影は時雨を倒し、骸のお気に入りになりましたとさ(かつてないほどの投げやりなあらすじ……だけど他に何と書けと?(号泣))。

痛いです

え~ん、飛影ちゃんのかわいい腕が斬られちゃったよお~。飛影ちゃんのかわいいウェストが斬られちゃったよお~。
などと叫んでいるのは、はっきり言って現実逃避です。
つまり、現在の私には飛影ちゃんが腕やら胴を斬られることよりも、もっと考えたくないことがあるということなのです。
「ひータンのアホ~!!」程度ではすまされないものがあります。はっきり言って、「幽チャンのバカ~!!」とも叫んでいます(幽助へのはやつあたりに近いんですが)。
最初のうちはそうでもなかったんですが、じわじわと“痛み”が浸透してきて、あることに気づいた途端に「これはひどすぎる」とつぶやき、そのまま寝ても覚めてもその妄想にとりつかれております。
そんなわけで今週は作者急病(持病の幽遊症候群、とりわけ幽助×飛影病の急激な悪化)のため、お休みさせていただきます……としたかったんですが、いろいろとありましてそうもいきません(書くのも耐え難いんですが、黙っているのはもっと耐え難かったりするのです)。ですから、しようがないので書きます。
しくしく。
今さらなんですが、私、桑原くんか蔵馬のファンをやってればよかったわ(いや、ファンではあるんですけれどね。最愛ではないの。ごめんなさい)。
桑原くんとか蔵馬なら、道を踏み外す心配ってのはあんまりないものね。うん、結構、安心して見ていられるの。
それがもう、幽助は道なき道をばく進するし、飛影ちゃんにいたっては簡単に道を見失っちゃう!
飛影ちゃん! どうして貴方ってば誰かがそばについてないと、自分が歩いてきた道すら忘れて、現在位置を失っちゃうわけ?
幽助か蔵馬がそばにへばりついてないと、1人じゃ道を歩けないのね? そうなのね? ええい! 幽助! 私が許す! 雷禅さまが臨終の床にいようとなんだろうと、すぐに飛んできて、飛影ちゃんに幽助のことを思い出させなさい! 蔵馬も蔵馬だ! 黄泉なんかと昔話をしている場合じゃない! 早いとこ探しに行ってあげないと、飛影ちゃんが怖い人にさらわれちゃうわよ! それでもって、飛影ちゃんはかわいいから高く売れちゃったりするのよ!(あっ……このたとえはちょっとシャレにならないかも)
……すみません。かなり乱心してます。
数々の暴言は狂人のたわごとと聞き流してやってください……。
これから先はもう、幽助×飛影ファン以外の方を怒らせるようなことばかりになりそうなので、幽助×飛影を認めないという方は、ここで読むのをやめてください。
後で苦情を出されても、当方、一切、受け付けません。

生きるという“欲”

あの4人組の中で、一番、“欲”がないのは飛影ちゃん(一番、強欲なのはもちろん幽助でしょう)だと思っておりましたが、まさかここまで“欲”のないやつだとは思いませんでしたよ。
なにせ、生きるという“欲”すら持っていなくて、ひたすら目的意識だけで生きている。
だから、その目的意識を失うと、どうしていいのかわからなくなっちゃうのね。
目的意識なんかなくったって、“生きたい”という“欲”さえあれば生きていけるものだけれど、飛影ちゃんてばその根本的なものが、見事に欠落している。
“生きたい”という願望が特に強いのは、幸福な人生を送ってきた人だそうだけれど、では飛影ちゃんはよっぽど不幸だったのね(いや、あの人生が不幸でないわけはないんですが)。
なにせ、飛影ちゃんは自分が不幸だと認識できないほど不幸!
だから、幸福さえも認識できない。
おまけに不幸だと思ってないから、幸福になる努力もしない(できない)。
運命に対して徹底的に受身なのよ、この子は。
だけどね、飛影ちゃん。
飛影ちゃんが大切に想っている人は、皆、飛影ちゃんを大切に想っているのよ。
飛影ちゃん自身が生きることを放棄しても、皆は飛影ちゃんが死を望むことを許さないのよ。
幽助を、蔵馬を、桑原くんを、雪菜ちゃんをもっと大切にしてよ。大切にするのと大切に想うってのは、同じことのようで、微妙に違うと私は思うわ。
皆、飛影ちゃんのことを遠くで想い続けてくれているのに、それなのにそれなのに……この子は他人の心を信じることができない。
自分の価値を信じていない。
飛影ちゃんはもっとうぬぼれるべきだと思うの。自分が死んだら、泣いてくれる連中がたくさんいるということを、思い知るべきなの。
どうして飛影ちゃんは、あんなに楽しい時間を共に過ごした幽助たちのことを、こうも簡単に忘れてしまうのよ。
半年も離れていたら、幽助たちに忘れ去られていて当然、とでも思っているわけ?
飛影ちゃんは愛情を注がれるということに慣れていないから、それを信じるということもできないわけね。
飛影ちゃんは愛情ならあまるほど持っているのに、それのきちんとした表現の仕方を知らない。
飛影ちゃんがそれを望めば、皆、好きなだけ愛情をくれるのに、飛影ちゃんはそれのきちんとした受け取り方を知らないし、そもそも自分の周囲を空気のごとくに包んでいた、深い愛情に気づくことができない。
本当に“欲”がなくて、“心”が弱くて、生きるに不器用な子なのね、飛影ちゃんは。
幽助たちと一緒にいる時の飛影ちゃんは信用できるけど、一人ぼっちの時の飛影ちゃんは本気で信用できないわ。
幽助たちと一緒ならね、飛影ちゃんはいつだって強いの。
そりゃもう、幽助の暴走を力づくで止めることができるほど強い。
だけど、たった半年、幽助と離れただけで、この子はもうこんなに弱くなっちゃってる。
飛影ちゃん! 妖気だけS級になってどうするんだ! 幽助と一緒に戦って死ぬ、と宣言したからには、せめてもう一度、幽助に会うまでは死ねない、ぐらい言って欲しいわよ!
飛影ちゃんは、死に方を求めるほど強くないんじゃなくて、死に方を求めるほど弱いのよ! 本当に強いヤツはどんなことがあっても生き延びようとするわ!
私はね、飛影ちゃんは死んでもいいほど、幸福になっていないと言いたい。
もっともっと生きて、幸せにならなきゃ、生まれてきた価値がないじゃないのさ! 命をかけて飛影ちゃんを産んでくれた氷菜さんに、申し訳ないとは思わないのか!
飛影ちゃんは幸福になる権利がある。
飛影ちゃんは、情が深くて、かわいくて、ひたむきに生きているから、幽助も蔵馬もかまいたがってしょうがないじゃないの(笑)。
もう……どうしてこの子はこんなにお馬鹿で、こんなに愛しいんでしょう。
こんなことになっても、飛影ちゃんを見捨てられない自分がうらめしいです。しくしく。

氷泪石の絆

私はずっと、飛影ちゃんは雪菜ちゃんという存在にすがって生きてきたと思っていました。
だけど本当は飛影ちゃんは、氷泪石にこめられた、氷菜さんの愛情にすがって生きてきたのね。
氷名さんが飛影ちゃんに残したものは、過酷な運命だけじゃない。
氷菜さんの本当の遺産は、死んでも消えることがなかった飛影ちゃんへの愛情と、雪菜ちゃんだったのね。
氷菜さんが残した2粒の氷泪石は、飛影ちゃんの運命のすべてを握り、そのうえ骸の運命までをも変えていた。
氷菜さんの氷泪石は実に、飛影ちゃん、雪菜ちゃん、骸の3人の運命を握っていたということになるのね。
飛影ちゃんは与えられるべきだった母親の愛情を氷泪石から受け取り、それをふとしたきっかけで失った。そして、それを手に入れた骸は失った半身を埋めるべきものを氷泪石から受け取った。
さらに、もう一つの氷菜さんの氷泪石を乎に入れた飛影ちゃんは、生きることを放棄したがるようになる……。
『幽遊白書』というストーリーを影で動かしているのは雪菜ちゃんだと思っていたけれど、実はその母親である氷菜さんだったのかもしれない。

半身の行方

骸ってね、飛影ちゃんのことを名前だけで知ってたわけじゃなかったのよ。
だって、骸が持っていた飛影ちゃんの氷泪石には、飛影ちゃんの妖気がしみついていたのよ。
だったら、骸は飛影ちゃんたちが仙水と戦っていた時に、氷泪石にしみついた妖気が飛影ちゃんの妖気と同一のものと気づいていたに違いないじゃない(実際、雷禅さまも黄泉も、幽助や蔵馬の妖気を判別できたわけだからね。骸にだって同じことはできるはずよ)。
骸は“忌み子・飛影”を招いたわけではなくて、氷泪石の正当な持主である飛影ちゃんを招いたんじゃないのかしら。
骸は最初から飛影ちゃんが欲しかったのね。
で……それに気づいたら、するするとおそろしいことに気づきだして……それで、「これはひどすぎる」と真っ白になってしまったわけです。
まずね、飛影ちゃんはすべてをさらけだして、ごまかしも嘘もなく、ストレートにおまえが必要なんだと言って、まっ正面からぶつかってくるヤツに弱い!
幽助がそのいい例だ!
悪意でもなく、敵意でもなく、自分に興味を抱いて近寄ってくるヤツを、飛影ちゃんは拒めないような気がする。
そして、目的意識なしではどうにも生きていけない子だから、その“目的”を与えてくれるヤツには無条件でくっついていってしまいそうな気がする。
だから……飛影ちゃんは骸という存在を必要とするようになるような気がする……。
そして、飛影ちゃんは骸を好きになるかもしれない。
骸がね、男ならまだよかった。
それだったら私はそんな心配はしなかった。
だけど、女じゃ駄目なのよ~(泣)。
飛影ちゃんてば女に弱いんだもの~(蔵馬だったらこんな心配はしなかったでしょう)。
飛影ちゃんが骸を大事に思うようになって、何が困るって……幽助と戦うことになった時に異常に困る!
雷禅さまの跡取り息子である幽助と、骸の筆頭戦士にまで成り上がった飛影ちゃんが、ぶつかることになるってのは……あまり考えたくはないけれど、かなり確率の高い未来です。
だけどね、飛影ちゃんが骸に利用されて、幽助と戦うってのは、なんとか耐えられると思う。骸に操られて、幽助と戦うってのもやっはり耐えられると思う(泣くだろうけど)。
飛影ちゃんが自分のために幽助との決闘を望むのなら、許せると思う。
だけど、飛影ちゃんが自分の意志で、骸のために幽助と戦うってのは、もうどうしてもイヤ!
これはもう嫉妬の域に入っているんだろうけど、私は飛影ちゃんに雪菜ちゃん以外の女が近寄るのだって許せないってのに、その女のために幽助と飛影ちゃんが殺しあうだなんて、絶対に絶対にイヤだわ~!
え~ん、飛影ちゃんが骸のツバメさんになっちゃうよお~。
飛影ちゃんてば絶対に骸のお気に入りで、骸に特別扱いされてるに違いないわ!(私、なんだかそのうち本気で骸×飛影な小説を書くような気がしてならないんですけど……)
骸は失った半身のかわりに大事にしていたはずの氷泪石を飛影ちゃんに返した。
だけど、氷泪石の代わりに骸は飛影ちゃんを手に入れたの。
骸は明らかに飛影ちゃんに執着しているのよ。
そして飛影ちゃんは自分に執着してくれるヤツが、はっきり言って好きなのよ。
すべての過去を交換しあい、骸と飛影ちゃんは互いの半身になってしまうかもしれない。
だけどね、飛影ちゃんに本当に必要なものを、骸は絶対に与えてくれやしない。
たけど、飛影ちゃんはそれに気づかないんだろうねえ。
幽助を本当に必要としているのだと、飛影ちゃんは幽助が死んだ時に思い知ったはずなのに……駄目だよ、やっぱり。
飛影ちゃんはしがみついてでも幽助にくっついていくべきだったの。せめて蔵馬についていくべきだったの(蔵馬×飛影ファンに怒られてしまいますね)。
せっかく、少しずつ精神のリハビリが進んでいたのに、半年さぼっただけで、もう元の木阿弥状態になってるぞ、飛影ちゃん。
それでも、飛影ちゃんは4人で過ごした幸福な時間を忘れ去ることはできないだろうから……。
きっと、一番、つらいめにあうのは飛影ちゃんなのね。
遠い幽助に手を伸ばすことをあきらめて、近くにいて手を差し伸べてくれる骸に、飛影ちゃんはすがりついてしまう。
雪菜ちゃんは、決して飛影ちゃんを絶望させるために、大事な大事な氷泪石を飛影ちゃんに托したわけではないのに……どうしてこんなことになっちゃうんでしょうかねえ。
やっぱり、雪菜ちゃんは飛影ちゃんの運命を動かし、ひいては『幽遊白書』というストーリーを動かしてしまうのね。
私は飛影ちゃんに、自分自身を救う強さを求めたい。
そして、幽助に飛影ちゃんを救い出す強さを求めたい。
どうせなら、幽助と飛影ちゃんと蔵馬の3人で魔界を乗っ取って、桑原くんが言うように魔界制覇をしちゃえばいいのよね!
そいでもって、3人は魔界で仲よく暮らし、桑原くんと雪菜ちゃんがたまにひょっこりと遊びにくるという……いいなあ……理想の展開だなあ……ついでに螢子ちゃんとコエンマさまも呼んで欲しいなあ……(現実逃避の見本みたいなことをやってますね)。
なんにしろ、すべてがうまい方向へ動くには、飛影ちゃんが強くなる、というのが絶対必要条件なのよね!
飛影ちゃん……強くなってよ。
骸なんかにすがらないで、どうせなら幽助にすがりなさい!
飛影ちゃんに泣きつかれれば、幽助は瀕死の雷禅さまをほっぽりだしてでも、飛影ちゃんのところにやってくるに違いない!(……と思いたいです)
ああ……本当にごめんなさい。幽助×飛影ファン以外の方が怒りまくってる姿が目に浮かぶよう……(苦笑)。
だけどね、どうしても飛影ちゃんがつらいめにあってると、幽助がいないせいだと、飛影ちゃんを救うべきは幽助だと、飛影ちゃんには幽助が必要なのだと……私は思ってしまうのよ。
私は根っからの幽助×飛影ファンなのだと……もう、しみじみと思い知らされてしまったわ。
ああっ、幽助~。私は幽助以外の誰かに、飛影ちゃんを救って欲しくはないの(雪菜ちゃんなら許す(笑))。

今週の冨樫先生のコメント
とある駅のホームで、深夜黒人さんと2人きり。5分程海外旅行に行った気分になりました。

前説→幽遊のこと
後説→幽遊のこと・その3、もしくは、彼らが帰る場所

tag : 幽遊白書

◆◇◆◇◆ 1994/03/13(日) ◆◇◆◇◆

『幽遊白書』 「それぞれの一年 飛影 前編」 感想

今週の心の叫び
飛影ちゃんが愛しすぎるわ

不親切なあらすじ

飛影が骸の元に来てから半年の月日が経った。
闘いに明け暮れる飛影が夢に見るのは、生まれた時のこと、妹の雪菜のこと。
飛影と雪菜は双子であり、2人の母親である氷菜は禁忌を侵して他族の男と交わった結果、飛影をみごもった。
しかし、氷女たちにとって男の子供は凶であったために、飛影は生まれてすぐに氷河の国を追放されたのだ。
そして、骸は順調に強くなっていく飛影を、ある男と決闘させるのだが、彼こそは飛影に邪眼を植え付けた男、魔界整体師・時雨であった。

忌み子・飛影

今週はもう……ダメです。
まっとうな文章が書けません(いや、まっとうな文章なんて書いたことはないんですが)。
あの扉絵を見ただけでへたりこみそうになった私は、“冷静”はおろか“平静”さえ保てません。
ああっ、誰かどうにかしてっ(泣)。
最近、幽助か愛しい! もしかしたら飛影ちゃんを追い抜いたかも! などと言っていた私ですが、やはり幽助への愛と飛影ちゃんへの愛は、完全に質が違っていたと思い知りました。
本当にもう……飛影ちゃんは無条件で愛しい子です。
本当に私はこの子を“溺愛”してます。幽助への“熱愛”とは比較対象になりません。
幽助のやることは、幽助だから大丈夫、どうにかなる、とわりと冷静に見てますが(飛影ちゃんに比べたらの問題ですけどね)、飛影ちゃんのやることは、もう何から何まで心配。
幽助の怪我なんて、また怪我しもゃって、で終わるけれど、飛影ちゃんの怪我は、飛影ちゃんが怪我してる~、痛そ~、かわいそ~、どうにかして~、となるんですよ。
幽助に対してはわりかし放任だけど、飛影ちゃんに対しては徹底的に過保護なわけですね。
その過保護な私が、こんなもんを読まされて愛が燃え上がらないわけがない(笑)。
ああっ、飛影ちゃん……なんてこんなに愛しいのかわかんないけど、とにかく愛しいわ!
だけど、本気で表紙をみてへたりこみそうになりました。
なんとゆ一か……冨樫先生はたまにおそろしく凶悪な絵を描きます(表現が悪いですが)。
とにかく色っぽいとゆ-か、艶っぽいとゆ-か……動悸、息切れ、めまいを誘う絵なの(今度は表現が妙ですね)。
すっごく不気味だってのは自分でもわかってるんだけど、線の一本一本を追いかけて、どうやったらこんなにすごい絵ができあがるのかを探ってみたくなる時があるんですよ(それに近いことは実際にやったことがあるような……)。
それにしても、飛影ちゃんてば大嘘つき!
何か雪菜ちゃんとは母親が違うだ! 同じじゃないか!
おまけに父親が違うというわけでもない。けれど、同じでもない……こういうのは、どう表記すべきなのかしら(飛影ちゃんには父親がいて、雪菜ちゃんには父親がいないわけですからねえ)。
本当に飛影ちゃんの父親ってのはどういう方だったんでしょう?(炎の妖気を持つ、かなり強い妖怪だと思われますが)
骸が「お前の親父なんてオチはねえ」と言った時、おもわず「あたりまえだ! こんなのが飛影ちゃんの父親だったら、私は泣くぞ!」と叫んでしまいましたよ(こんなこと言って、あの包帯の下の素顔が、バリバリの美形だったりしたらどうするつもりだ(苦笑))。
だって、幽助のご先祖さまがあんなにワイルドなハンサムさんなのよ? それで飛影ちゃんの父親が骸だったら、真剣に落ち込んでしまうわ(黄泉でもイヤ)。
だけど、骸って思ったより背が高いんですね。
ところで、飛影ちゃんが雪菜ちゃんを妹と判別できたのは、生まれる前、氷菜さんのおなかの中で雪菜ちゃんと一緒にいた時の、その妖気を覚えていたためなのかしら?
じゃあ、“飛影”って名前は誰がつけたの?
死ぬ前に氷菜さんがつけたのか、泪さんがつけたのか(泪さん自身が「あのコ」と呼んでるあたりを見ると、その可能性は低いように思われますが)、どこかに名付け親がいるのか、それとも飛影ちゃんが自分でつけたのか……。とっても気になる。
飛影ちゃんにとって、生きるに値する氷女は雪菜ちゃんだけなのね。
飛影ちゃんが雪菜ちゃんにあそこまで執着するのは、雪菜ちゃんだけが飛影ちゃんの“同族”だからなのかもしれないわ。
もしかしたら、雪菜ちゃんには悪いことをしたとか思ってるかもしれない。だって、雪菜ちゃんから母親を奪ったのは、飛影ちゃん自身なんだもの。
ああっ、それにしても飛影ちゃん。こんなかわいいお顔に傷をいっぱいつけるんじゃない! こんなかわいい腕に傷をつけるんじゃない! こんなかわいい首に……以下同文(すみません。すごくアブナイ女になってますね)。
飛影ちゃんてば、自分で自分の傷も治せないわけ?(今までは“歩く救急箱”の蔵馬がそばにいたからねえ(苦笑))

飛影ちゃんの過去

ところでところで……飛影ちゃんてば生まれた時からめつきが悪い……。なんてこと……。
こんな飛影ちゃんでも、愛くるしく笑ってた赤ん坊の時期があったのよ~、とか思ってたのに……(今の方が断然、愛くるしいじゃないか(苦笑))。
それにしても、なんて暗い過去なんだ……。
生まれた時から誰にも祝福されていなくて、それどころか完全にやっかいもの扱い(ぐらいじゃすまないわね、あれは)で、しかも、それをきちんと理解していたなんて……。
そして、そんな可哀想な飛影ちゃんのために泣いてくれたのが、泪さんだけだっただなんて……。
赤ん坊の飛影ちゃんには、泪さんの涙の意味を理解することはできなかったけれど、“償い”という言葉の意味を理解することはできなかったけれど、“殺す”という言葉の意味は理解していたのね。
あの泪さんから氷泪石を受け取った飛影ちゃんの、本当に小さな手に涙が出そうになりました。
あんな目をしていても、あんな笑い方をしていても、やっぱり飛影ちゃんは生まれたばかりの赤ん坊だったのよ。
そんな赤ん坊が、あんな高い所から投げ捨てられていいわけないじゃない。
泪さんはきっと、その後、何度も何度も自分が捨てた飛影ちゃんのことを思い出したことだろう。雪菜ちゃんを見るたびに、共に育つはずだった双子の兄のことを考えたことだろう。
そして、泪さん自身もそうなることは予想がついていて……だから、飛影ちゃんに真っ先に殺されたいと願ったんじゃないんですかね。
そう考えると、果てしなく長い寿命を持つ氷女の彼女が、すごく可哀想になってきます。

飛影ちゃんの孤独

今の飛影ちゃんは、骸の配下というよりは、骸のペット(苦笑)。
ただひたすらに闘わされて、強くならなければ生き残ることさえ許してもらえず、本人の意志なんてまるで無視されている。これじゃあ闘犬か闘牛ですわ(すると時雨さんはかませ犬か)。
そんな目にあわされている飛影ちゃんが繰り返し繰り返し見る夢は、生まれた時のことであり、雪菜ちゃんのことであるのね。
飛影ちゃんは今、闇の中に沈みこんでいて、その中にかすかに見える光がきっと雪菜ちゃん。
飛影ちゃんは雪菜ちゃんという存在にしがみついて、なんとか生き延びている。自分自身の存在を忘れずにいることができる……そんな気がします。
飛影ちゃんの氷泪石に飛影ちゃんの妖気がしみついているということは、雪菜ちゃんの氷泪石には雪菜ちゃんの妖気がしみついているということで……飛影ちゃんはその雪菜ちゃんの妖気を胸に抱きながら日々を過ごしている。
飛影ちゃんはいつでも、雪菜ちゃんの妖気を感じている。だから、飛影ちゃんが雪菜ちゃんを忘れることはないのね(これはかなりうれしい)。
時雨さんに指摘されて、他人には一目たりとも見せてやるもんか、とばかりにそそくさと隠してしまった飛影ちゃんがかわいいわ。
それにしても、飛影ちゃんのこんなにすさんだ目は久しぶりに見ました。
やっぱりダメね。幽助がそばにいないと(すぐにそういう発想をするあたり……)。
けれど本気で、こういう時だからこそ、飛影ちゃんのそばに幽助がいて欲しいと思います。
飛影ちゃんは、幽助に出会う前の長い長い孤独の時間よりも、幽助と別れてからのたった半年の孤独の時間の方を、つらく感じているんじゃないかと、私は思うので。
蔵馬や幽助と出会う前の飛影ちゃんなら、今、そんなにつらい想いはしていなかったかもしれない。現在の状況を楽しむことさえできたかもしれない。
けれど、もう駄目なの。
飛影ちゃんは幽助に出会って、魂をつくりかえられてしまったの。もう、昔の飛影ちゃんには戻れないの。
氷女たちに捨てられたっていいじゃないか。
飛影ちゃんは幽助が蔵馬が桑原くんが、きっと拾ってくれる。
だから、幽助たちと過ごした時間を忘れないで欲しい。救ってくれる手が確実に存在することを覚えていて欲しい。幽助の復活を知った時のあの笑顔を、永遠に失ったりしないで欲しい。
ああ、幽助と再会できた時、飛影ちゃんがすぐに皆と一緒にいた時の自分を、取り戻すことができるといいんですけど。

雪菜ちゃんの素顔

いざとなると、こういう子が一番、こわいんじゃないかしら、と思っていた雪菜ちゃんですが、やっはりこわい子でした(苦笑)。
ああ、雪菜ちゃんは氷河の国を出奔してたのね。それで、あんなにのんきなのね。期限つきのわりには急いでる様子がまるでないと思っていたら……。
雪菜ちゃんはやはり、はかなげな外見にそぐわない、強くて激しい子でした。
飛影ちゃんと雪菜ちゃんの母親である氷菜さんも、雪菜ちゃんに似た、気性の激しい方だったんだろうと思います。
禁忌を侵して恋をして、自分が死ぬことを承知で飛影ちゃんを産んだわけですからね。並の強さじゃありません。
飛影ちゃんと雪菜ちゃんが氷菜さんから受け継いだその情の深さ(いや、飛影ちゃんてむちゃくちゃ情の深い子だと思いますよ)は、氷女としてはかなり異端だったんでしょうね。
他族と交わることもせず、流浪の城から出ることもせず、恋もせず、おそらくは大した変化もなく、ただひたすらに長く長く生き続けるだけの氷女たち……考えてみれば、哀しい女たちの国なんですね、氷河の国は。
雪菜ちゃんはおそらくは飛影ちゃんたちに救い出され、氷河の国に戻った時に、そんな氷河の国の在り方に違和感を覚えたんでしょうね。
ずっと氷河の国の中にいたのなら、そんなことは考えなかったかもしれない。
けれど、外界の良い面と悪い面を見据え、自分を利用しようとした醜い人々、自分を救いだそうとして死んだ青年、自分のために闘ってくれた幽助や飛影ちゃん、そして、自分がやったわけでもないことを真剣に謝ってくれた桑原くんに出会ってしまった雪菜ちゃんには、生きてるんだか死んでるんだかわからない氷河の国という場所が、自分が生きるべき場所ではなくなってしまったのだろうと思います。
自分が生まれ育った国を「滅んでしまえばいい」と思うほど、雪菜ちゃんは憤っている。
けれど、雪菜ちゃんにはきっとできない。
「滅んでしまえばいい」とは思っても、やはり実際に滅ぼすことはできないと思う(たとえ、それだけの力を持っていても)。
だから、“自分で滅ぼす”という発想が出てこなかったんじゃないかと思うんですよ。
“兄に滅ぼしてもらう”という他力本願な考えじゃなくて、“兄が滅ぼすなら許せる”という考えだったんじゃないかと、私は思っているので。
けれど、それって自分の怒りや憤りを兄におしつけて、自分の手は汚さないということでもあって……それを飛影ちゃんに指摘されてしまって、雪菜ちゃんはショックを受けたんじゃないのかしらね。
それにしても、雪菜ちゃんの兄に対する執着も、やはり並ではないです。
自分は氷河の国で大事に育ててもらったのに(やはり、泪さんに育てられたんでしょうか)、双子の兄である飛影ちゃんは生まれた途端に投げ捨てられちゃったという、ある種の罪の意識があるのかもしれないなあ(しかし、兄を“へのへのもへじ”にしないで欲しい)。
ああっ、それにしても桑原くんの雪菜ちゃんへの恋は、さらに成就の可能性が低くなってきましたね。
だって雪菜ちゃんてば桑原くんの子供を産んだら死んでしまうのよ。
そんなの絶対に飛影ちゃんは許さないだろうし、桑原くんだってそれじゃあ哀しすぎるわよね。
雪菜ちゃんを失い、姿形だけは自分に似た、凶暴な性格の赤ん坊を抱えて途方に暮れる桑原くんの図を想像して、ちょっと寒くなってしまいましたよ(子供をつくらなきゃいいだろう、という考えもありますが、桑原くんて絶対に、子供は野球チームができるぐらい欲しい! というタイプだと思う)。
ところで、雪菜ちゃんてば、飛影ちゃんの正体を知ってて、あえて黙っているような気がしてしかたないんですけど、それって私だけですかね。
なんとなく、あの飛影ちゃんへのアプローチの仕方がね、そんな感じがするんですよ。
何よりも大事な母の形見である氷泪石を預け、自分の兄について語り、故郷である氷河の国よりも、ずっとずっと兄の方が大事であると伝え、兄が氷何の国を滅ぼしても自分は傷ついたりしないと教える(つまり、滅ぼしたいのなら、自分のことを気にせずに滅ぼしてくれ、と言っている)……本当に意味深な行動だと思いませんか?(深読みのしすぎでしょうか)

邪眼の秘密

時雨さんの第一印象といえは、とにかく“痛そうな人”だったりします(笑)。
うわ~。悪趣味~。こんなとこに鈴なんかつけないでよ~(大笑)。
普通にしてれば結構、美形だと思うのに……しくしく……もったいない。
しかし、邪眼をつけるってことは、すごいことだったんですね。
むちゃくちゃな痛みに耐えると同時に、量下級レベルまで妖力が落ちることを覚悟しなきゃならない。
そんな妖力じゃ、生き延びるのも天変だろうし、何よりもあれだけブライドが高く、生まれて5年目にはA級妖怪だったというエリートの飛影ちゃんが、そこらへんのザコ妖怪と同レベルになっちゃうというのは、精神的にもかなりきついものがあったんじゃないかと思うわ。
苦労したんだねえ、飛影ちゃん(しみじみ)。
ところで、“それぞれの一年”ということは、ストーリーが本道に戻るのは、雷禅さまが死ぬ時ということですかね。
ああ、雷禅さま。あんなにかっこいい方なのに、すぐに死んでしまわれるのね……哀しすぎるわ。
その時、幽助と飛影ちゃんがどういう位置にあるのかも、すごく気になりますし。

今週の冨樫先生のコメント
たくさんのバレンタインPありがとうございました。お返しはできないけど感謝してます。

前説→幽遊のこと
後説→幽遊のこと・その3、もしくは、彼らが帰る場所

tag : 幽遊白書

◆◇◆◇◆ 1994/03/06(日) ◆◇◆◇◆

『幽遊白書』 「親父との再会!!」の巻 感想

今週の心の叫び
皆の幸福を願うだけです

不親切なあらすじ

幽助は幻海や桑原に別れを告げ、霊界の協力により魔界へやって来た。
さて、魔界で待っていた幽助の“父親”である雷禅国王とは?

名場面コンテスト

おもわず、冨樫先生ってばなんてことを……、と思ってしまった、あの扉ページの名場面コンテスト結果発表(本当に大胆なことを……)。
1位が蔵馬対鴉戦というのは、同人界の組織票が動いてるとしか思えない、と思ったのは私だけではないでしょう。
だけどやっぱり、一番、うけたのが「幽チャンのバカー」「ひ一タンのアホー」ですね。
これが、あの絵だからまだいいのね。シリアスな絵であれをやられたら、私はきっと1ヶ月くらい立ち直れなかったわ(いろいろな意味で)。
ああ、駄目だわ。冨樫先生が幽助×飛影を公認しているように見えるわ。もう、完全に脳みそが沸騰してるわ。
ところで、幽助対飛影戦というのは、『3匹の妖怪編』の時のことなのかしら、『頭を冷やせ!!』のことなのかしら……はっきりして欲しいぞ!

嘆きのコエンマさま

幽助たちはどうやって魔界に行くんだろう……と思っていたら、霊界を利用するという、あっと驚く裏技があったんですね。
暗黒武術会の件といい、この件といい、霊界ってのは本当に名よりも実をとるところなのね。
まあ、この場合は霊界をうまく利用した3大妖怪の頭脳を誉めるべきでしょう。
しかし、確かに仙水の苦労って一体、何だったの? って感じだわ。
だって、仙水があれほどに苦労してたどり看いた魔界に、幽助は何の苦もなく入っちゃったんだものねえ(仙水ってやっぱりとことん運の悪いヤツ)。
しかししかし、ここで私が一番、気になったのはコエンマさまのあのすねかた!
ああ、コエンマさま。いい年をして、幽助みたいな子供相手に、そんなに露骨にすねないでよ。
“自嘲気味にそう言い捨てた”ということは、コエンマさまってば、形式的に任務をすませて、後はこんなうらめしげな言葉を言ったっきり、すみの方で黙りこくっていたのよ、きっと。
でね、深読みのしすぎたというのはわかってるんだけど、なんだかやたらと気になっちゃったのが、幽助が「オレ達を処分する」と複数形(つまり、蔵馬と飛影ちゃんこみ)で言ってるのに対し、コエンマさまは「お前を抹殺」と単数形(つまり蔵馬と飛影ちゃんが除外され、幽助だけが対象になってる)で言ってるのね。
コエンマさまってば、蔵馬と飛影ちゃんはどうでもよくて、幽助の魔界行きだけを問題にしてるのね(少なくとも、私はそう思った)。
ああ、幽助のために、自身の唯一の居場所であったはずの霊界さえ捨てようとしたコエンマさま……。なのになのに、その幽助にこんな仕打を受けるなんて~。
これが父親からの頭ごなしの命令だったら、いくらでも反抗できるけど、幽助自身がそれを望んでしまったら、もう反対のしようがないのよ、コエンマさまは(桑原くんみたいにストレートに苦情が言える立場だったら、まだよかったのに……)。
幽助、コエンマさまが泣いてるぞ! 魔界なんかに行くんじゃない! などと、叫んでうるうるしてた私って……(それでも私は幽助×飛影ファン(苦笑))。
それでもまあ……コエンマさまも、「退屈してんだ」と言った幽助を見た時に、こうなることはある程度、覚悟はしていたんじゃないかとも思います。
そういえば、コエンマさまはおしゃぶりをしてませんけど、もう霊気を貯めるのはやめたんですかねぇ(エンマ大王に対する抗議のストライキだったりして(笑))

4人の分岐点

4人はとうとう別々の道を選んでしまいました。
けれど私は、とてもつらくはあるけれど、ひどく哀しくなることはありませんでした。
この4人は結局、互いに相談しあうこともなく、皆、自分だけで考え、自分だけで結論を出したのです。
だからこそ、誰もが互いの決断を責めることができません。
どんなに愛しい存在も、どんなに必要な存在も、今やらなくちゃいけないこと、今やりたいことを知っている幽助たちを縛り付けることはできません。
“いつか”ではいけないんです。それはきっと“今”でなくちゃいけないんです。
飛影ちゃんは、“てっとりばやく戦闘能力をあげたい”そうですが、あのプライドの高い飛影ちゃんが、他者の力を借りてでも(本人は利用しているつもりなんだろうなあ)強くなりたい理由を考えてみると、私には幽助以外に原因をみつけることができないんですよ。
幽助は魔族になって、飛影ちゃんがそうと口に出して認めたように、飛影ちゃんよりも強くなった。
飛影ちゃんはきっと、そんな現状に満足いかない。
飛影ちゃんはね、幽助と同じくらい強くなくちゃいけないの。そうでなくちゃ、あの子は幽助のそばにいられないの。
「すぐに追いついてやる」と宣言した飛影ちゃんは、幽助と同等のカを求めて、骸の元に行くんだと私は思うの。
でも、飛影ちゃんてば多分、幽助を追い抜くことは考えてないね。幽助と同じ位置に立つことを望んでいるね。
一日も早く、一刻も早く、幽助と対等になるために、飛影ちゃんは急いで強くならなければいけない。
例え、そのために幽助と離れることになっても、力関係で自分よりも上位にいる幽助のそばにいるよりはずっとマシだと、飛影ちゃんは思ったんじゃないかと、私は思うのですよ。
それにしても、どんな時でも桑原くんをおちょくることを忘れない飛影ちゃんが大好き(笑)。
一方、桑原くんてのは本当に偉い子ですよね。
なんだか、桑原くんだけが未来を見すえて、大地にでんと根をはって生きてるような気がします。
根なし草の幽助と飛影ちゃんはともかくとして、蔵馬さえもが具体的な将来設計を描いていないのに対し(未来が長すぎるんだね、きっと)、この桑原くんの堅実さときたら……。
桑原くんもきっと、幽助と同じ場所に行きたいという願いを持っていたと思う。幽助のいない日々の中で、泣きたくなったりさびしくなったりするだろうと思う。
そうなることを桑原くん自身もきっと承知していて、それでも、自分が定めた道を曲げなかった。
その桑原くんの強さに、拍手を送りたいです。
ああ、皆がそれぞれの道を見失わずに、それぞれの道を辿った、その行き着く先で、笑顔で再会することができるといいんですけど。

父・雷禅

雷禅さまを見て、「とら(『うしおととら』参照)みたい」と思った私は、まだ幽助潮化現象の余韻をひきずっているんでしょうか……(なんだかなあ)。
それにしても本当にハードだよねぇ、この親子は。最初から2人そろって喧嘩腰。
幽助が年をくったらこうなるだろう、の見本みたいなお方です、雷禅さまは(飛影ちゃんが見たら喜ぶかもしれない(笑))。
螢子ちゃんも温子母さんも幻海師範もきっとさびしがってる、桑原くんはくやしい思いをしてるかもしれない、コエンマさまなんかあんなに嘆いている。それなのに、幽助は雷禅さまに会って、妙に生き生きとしていて……なんだか腹が立ってしまいましたよ(単なるやつあたりです)。
だけど、あんなにうれしそうな幽助って久しぶりだねえ。
あんな顔を見てると、幽助は魔界に行くべきだったんだなあ、と思ってしまう。
幻海師範を“くそババア”と呼んだように、雷禅さまを“くそオヤジ”と呼んだ時点で、幽助は雷禅さまを“大事な者”と認めてしまったんですよね(しかし、ヤンキー座りをする国王さまってのは……(苦笑))。
けれど、こんな一目で気に入った親父さまを、幽助は一年後に失うことになってしまうの。
その時の幽助の嘆きようを考えるとすっごく哀しいです。
幽助か幻海師範を失った時はコエンマさまが慰めにきてくれたけれど、幽助か雷禅さまを失った時には、誰がそばにいてくれるんでしょうか(飛影ちゃんにいて欲しい……というのは、贅沢すぎる望みですね)。

今週の冨樫先生のコメント
特集でもあった映画『幽遊白書冥界死闘編炎の絆』キャラデザインで参加しています。

前説→幽遊のこと
後説→幽遊のこと・その3、もしくは、彼らが帰る場所
カレンダ
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プロフィール

ひでみ

Author:ひでみ


職業はプログラマ。
主食はマンガとアニメ。


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