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◆◇◆◇◆ 2007/08/30(木) ◆◇◆◇◆

『ラビット・ハンティング』2巻 感想

TONOさんの『ラビット・ハンティング』の2巻が出た。
1巻からずいぶんと待ったような気がするなぁ‥‥。

TONOさんのマンガは、時折とってもシビアで辛らつでリアルだ。
めっちゃかわいらしいほのぼのした絵柄なだけに、それがとってもキツかったりするのだ。
なかでもこの『ラビット・ハンティング』を怖いと思えるのは、多分、これが『カルバニア物語』などのように、ファンタジーの皮(?)をかぶっていないからだろう。
そもそもタイトルからしてドギツイ。
『ラビット・ハンティング』。うさぎ‥‥か弱くて臆病でかわいらしい生き物‥‥が狩られる物語。
この物語の中で狩られているのは、子役モデルをやっているかわいらしい子供たち。
時折、本人たちの意志とはまったく関係なく、誰かの欲望の対象になってしまう。
そして子供たちは、時に傷つき、時に子供らしい図太さで反撃をする。

2巻のメインになっている少女・チャイナは、大人に傷つけられ、不安定になった精神を癒すため、みずから髪を切ってしまう。
そして、そんな行動で思いのほか精神が安定したことを素直に喜ぶ。
痛いわけじゃないし、傷がつくわけじゃないし、髪は伸びるんだからいいじゃない、とか考える。
でも、周囲にしてみれば、女の子が自分の髪をばっさり切り落とすなんて、「異常な行動」としか思えない。
周囲の反応があまりにも大きいもんで、チャイナは混乱する。
基本的にチャイナはいい子だから、大人たちを困らせたくないと思っているし、友達たちと仲良くやっていきたいと思っているし、誰も傷つけたくないと思っている。
だから、自分が髪を切ったことが、母親をことのほか傷つけてしまったことに困惑する。

「だけど、愛は本物だったのです。そして、それは本当にしまつの悪いことでした‥‥」

マンガの中にあったこのモノローグに、私はちょっと笑ってしまった。
普通、「それは悲しいことでした」とか書かないか? それを「しまつの悪いことでした」と書くTONOさんのセンス。
‥‥みもふたもない(苦笑)。
でも、実際、しまつの悪いことなんだよね。
母親も娘も互いを大事にしたいと思っている。傷つけたくないと思っている。それが「本物」だから、母親も娘も傷つく。
まったくもって手に負えない。

TONOさんのマンガをキツイと感じるのは、「そういうこともあるかもね~」ということだからじゃなく、「こういうことって、絶対に世界のどこかで普通におきているに違いない」と私が確信できてしまうからだろう。
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カレンダ
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Author:ひでみ


職業はプログラマ。
主食はマンガとアニメ。


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