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◆◇◆◇◆ 2008/10/25(土) ◆◇◆◇◆

『コードギアス』考察 -ルルーシュと民主主義-

『コード・ギアス 反逆のルルーシュ』考察のリベンジを書いてみました。
てか、何に対するリベンジ?


『コード・ギアス 反逆のルルーシュ』の物語を思い返していて、ふと思った。
「話し合い」が足りない物語だな~(苦笑)。
ルルーシュが幼少時代を過ごしたブリタニア帝国の宮廷には、多分、話し合いなんてものは存在しなかったんだと思う。
完全な独裁主義国家の中枢にいるのは、支配する人と支配される人。
ある意味、とてもシンプルな人間関係。
そして、そんな世界から追い出されたルルーシュはスザクとの間に生まれて初めての「対等」な人間関係を築いた。
しかし、そこからも追い出され、ルルーシュに残されたのはナナリーだけだった。

ルルーシュとナナリーの関係が「対等」とはとても思えない。
ただただ守ることに夢中で、ナナリーが「特別」になりすぎちゃってる。
たとえば、ルルーシュがナナリーに不安な気持ちを打ち明けて、正直な気持ちで互いを慰めあうことができてたなら、あんな結末を迎えることはなかったんじゃないかと思う。
でも、「将来が不安なんだ」とかナナリーに言うルルーシュって想像つかないな(苦笑)。

「ゼロ」になったルルーシュは、まず話し合いでスザクを味方につけようとするが、あっけなく失敗。
いや、スザクとはちゃんと話し合いで解決しようとしてたんだな、当初は。
そしてルルーシュは「黒の騎士団」を結成するが、これも「話し合い」の結果ではなく「交渉」の結果。
「交渉」ってのはルルーシュにしてみれば暴力行為が介在しない「戦争」なんじゃないかと思う。
脅したり、ほめちぎったり、当人にとってどんだけ利益のあることかを教え込んだりと、様々な手練手管を駆使して相手から利益をぶんどるという「侵略行為」なんじゃないかと。

しかし、そーゆー手練手管が効かない存在もある。
その筆頭がC.C.。
契約内容がはっきりしてない契約、というもので結ばれた二人の間に「話し合い」はない。「相談」は結構してたけど。
次にマオ。
C.C.というたったひとつの目的しか持たないマオと、C.C.は絶対に譲れないルルーシュの間に話し合いなんてものが成立するはずがなく、二人の関係は結局、暴力行為で決着。
その間にシャーリーとの関係もこじれたが、記憶を改ざんする、というあまりにも一方的なやり方で問題をなかったことにしてしまったルルーシュ。
これが後々、ルルーシュに不幸をもたらすんだが、あの時にはあれ以外の選択肢はなかったんだろうな(ルルーシュ、基本ヘタレだから(苦笑))。
その後、ルルーシュは、ナナリーの騎士になって欲しい、ということをスザクと話し合おうとしたが、ユーフェミアという伏兵の出現でこれも実現しなかった。
とまあ、話し合いで何ひとつ問題が解決されない中、ルルーシュを話し合いでまるめこむ、という偉業を達成したのはユーフェミアだった。
あの時、ルルーシュは確かにユーフェミアにまるめこまれてた。
しかし、これもまさかのギアスの暴走で事態は最悪の方向へ。
さらにその件で、スザクとの仲も決定的に決裂した。

「交渉」で「超合集国」なんてものまでつくっちゃうほどのルルーシュだけど、誰かと「話し合い」をしようなんてことがないまま物語はつきすすむ。
ていうか、ルルーシュはそんなもの根本的に信じていなかったんだろうな。
そんな中、ルルーシュの「説得」に成功したのはシャーリー。
損得勘定抜きで、「好き」というまっすぐな気持ちだけでぶつかってくるシャーリーには、さすがのルルーシュも弱かった。
そう考えると、そんな風にまっすぐな気持ちでルルーシュに接していたキャラクタってのは意外と少なかったように思う。
ミレイさんやリヴァルはまっすぐにルルーシュを見てくれてたと思うけど、ルルーシュはこの二人にいろんなことを隠してたから、意識的に距離をおいてたように思える。

「交渉」ではないものでルルーシュが味方につけた人物といえばジェレミア。
ジェレミアは、追い詰められたルルーシュが口にした本音に感銘し、ルルーシュに忠誠を誓った。
考えてみれば、ルルーシュがブリタニアの皇子であり「ゼロ」であることを知ったうえで、ルルーシュを信じてついていったキャラはジェレミアだけだ。
咲世子さんもそれに近い感じではあるんだけど、彼女の場合、ナナリーの優しいお兄ちゃん、という一面を長いことみつめてきた結果、ルルーシュを信じるようになってたように思えるので、またちょっと違うかな?
ルルーシュが最後までそばに置き続けたのがジェレミアだったってのは、ジェレミアは自分を裏切らない、という絶対の自信があったからで、ルルーシュがそう信じることができたのは、ジェレミアが嘘でまるめこんだ相手じゃなかったからなんじゃないかな?

ナナリーを人質にとられたルルーシュは、ナナリーの救命をスザクに「懇願」しにいく(「懇願」と「話し合い」はちょっと違う)。
誠心誠意、話し合えばきっとわかりあえるはず、なんてことをまったく信じていなかったルルーシュだけど、スザクとならばもしかしたら成立するんじゃないかと、藁にもすがる思いだった。
ルルーシュの必死な姿に説得されかけたスザク。
自分が知らない何かがあり、自分は何かを間違えてるんじゃないかということに、気づくとこまでたどりついた。
だけど、これはシュナイゼルの邪魔が入りあっけなく決裂。
おまけにルルーシュはスザクにだまされたと思い込む。
ルルーシュの話し合い運のなさ、ここにきわまれり、だった。

交渉術で様々な成果をあげてきたルルーシュをつまづかせたのはシュナイゼルの交渉術だった、ってのはよくできた話。
まんまと「黒の騎士団」をまるめこみ、ルルーシュを追放させることに成功したシュナイゼル。
「黒の騎士団」のバカヤロー! そんな簡単にだまされんじゃな~い! とか当時は思ってたんだけど、冷静になって考えてみると、そもそも扇や藤堂との間に1ミリも信頼関係が築けてなかった(てか築こうなんて考えもしなかった)ルルーシュにも問題があるんじゃないのか? と思えてきた。
ルルーシュにとって「黒の騎士団」はただの駒だった。だからこそ、「黒の騎士団」にとってもルルーシュは駒にしかなりえなかった。
きっと、それだけのことだったんだ。
もしルルーシュが彼らと話し合いをしたうえで何らかの協力体制をつくりあげていたのなら、あんなことにはならなかったんじゃないかな?

そして、妹を失い、「弟」を失い、父と母を自分の手で消滅させたルルーシュはスザクと対峙する。
その後、ルルーシュとスザクは長い話し合いをしたらしい。
それは、自分たちの罪をいかにして贖うか、という話し合いであったらしい。
ここにいたって、ようやくルルーシュは話し合いに成功する。
でも、自分を終わらせるための話し合いに成功、ってうれしくなさすぎ。

多分、ルルーシュはC.C.ともよく話し合ったんだろうと思う。
そうでなければ、最終回のラストでC.C.があんなにふっきれた顔をしてるはずがない。
ルルーシュはちゃんとC.C.を納得させて「契約」を反故にしたんだと思う。

ロイドさんとセシルさんは事の次第を納得したうえでルルーシュたちに加担したらしい。
主にスザクが説得したのかもしれないけど、ルルーシュもちゃんと二人と話をしたんじゃないかな?
その後、ニーナともユーフェミアについて話し合ったっぽいことも言ってる。
すべてを終わらせる段階になって、ルルーシュは話し合いで味方を手に入れるようになった。
ルルーシュなりに「黒の騎士団」の件で反省してたのかもしれないし、人の心を操ることに疲れちゃってたのかもしれない。
もしくは、話し合いで手に入れた味方の方が裏切らない、と学習したのかも。
まあ、それ以外の「味方」は全部ギアスで手に入れたんだけどね(苦笑)。

民主主義の基本は「話し合い」だ(ということになっている)。
そして、「みんな、民主主義が好きだろう?」とルルーシュは言った。
この台詞からしてルルーシュは、民主主義が最善の政治形態である、とは信じていなかったように思える。
ルルーシュは政治的な信条なんか持ち合わせていなかった。民主主義も信じちゃいなかった。
でも、ブリタニアの独裁主義よりはマシな状態をつくれる、と考えた。
そして、より効果をあげるには、自分たちが民主主義を望んだのだ、と大衆に思い込ませることが必要だとも考えた。
だからこそ、わかりやすく独裁主義の失敗例をみせつけたうえで、独裁主義の権化である「皇帝」を、民主主義の象徴である「ゼロ」に殺させたんじゃないかと。

ルルーシュの人生で「話し合い」はほとんど機能していなかった。
ナナリーとさえちゃんと話し合いをしたことがなかったくらいだし。
でも、自分の望みをちゃんと伝えて相手に協力を請うことでしか手に入らないものがある、と知ることはできた。
それだけはよかったなあ、って思う。
それは、自分の生身の言葉が意味をもつってことを知ることができていた、ってことだから。

でも、ルルーシュは「話し合い」ですべてを解決できるとも思っていなかった。
ルルーシュの中の判断基準は、どっちが絶対、ではなく、どっちがよりマシか、ということ(『銀河英雄伝説』を思い出す)。
1億の人が死ぬよりは、1千万の人が死ぬ方がマシ、くらいな話。
死んでいったその一人一人に、自分にとってのナナリーのような存在がいるかもしれない、ってことを承知したうえで、ルルーシュは選択し、その結果を世界中の人々に押し付けたことになる。
ルルーシュにそんな権利あんのかい、とは思う。
でも、ルルーシュがそれをしなければ世界がもっとひどい状況に陥っていた可能性は高いとも思う。
結局のところ、両方を試してみることができない限り、誰も正答にたどりつけない。


えーっと、先々週あたりに書いて失敗したやつ(ルルーシュと3つの顔)のリベンジをしようとして、また失敗した。
あーっ、やっぱりまとまりそうにないんでもう寝ます(←さじをなげたっ)。
また長い文章(しかも投げ出し)でホントにすみません(平伏)。
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tag : コードギアス

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Author:ひでみ


職業はプログラマ。
主食はマンガとアニメ。


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