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◆◇◆◇◆ 2010/11/20(土) ◆◇◆◇◆

『猫物語(黒・白)』感想

西尾維新先生の『猫物語(白)』を読んだ~! って、ちょっとタイムラグがあるんだけど。
『猫物語(黒)』の方の感想を書き忘れちゃってたんで、あわせてちょこっと書いてみる。
だいぶとっちらかっておりますが。

(黒)の方は、『化物語』の中で空白地帯になっていた暦くんと羽川ちゃんの高二のゴールデンウィークの物語。
あのっ、ブラック羽川との対決が、アニメで描かれてたのとまるっきり違うんですけど~(汗)。
(黒)の方が断然グロいよね。映像的に結構すごいことになってるよね。腸をえぐりだしてジャイアントスイングなみだよねっ。

そして、(白)の方はいろいろと落ち着いたはずの暦くんと羽川ちゃんの高三の夏休み明けの物語。
まずびっくりしたのは、暦くんではなく羽川ちゃんのモノローグ形式だったこと。
この『化物語』は徹頭徹尾、暦くんの目線からでしか物語が描かれていなかったから。
ああ、なるほど、『化物語』が「新章」に入ったというのはこういうことか。
こうなると、撫子ちゃんとかめっちゃ楽しみだなあ。神原あたりはかなり不安だが(苦笑)。

羽川ちゃんが語る物語はいちいち痛々しく、それが淡々と語られるから怖い。
羽川ちゃんはおかしい、という話は忍野がさんざん言っていたけど、私もおかしいとは思っていたけど、実際、ここまでおかしいとは思っていなかった。あれだよ。暦くん目線で描かれた羽川ちゃんばっかみてたからだよ、きっと。暦くんフィルターはずすとこんなことになっちゃうんだねえ。

いろんなものをそぎ落として生きてきた羽川ちゃん。
彼女が背負わされたものは重すぎて、その重さを受け入れられなくて、羽川ちゃんは削ってはいけないものまで削っちゃって、だけどそれに目を閉じて、耳をふさいで、口を閉ざして生きてきた。
何も求めないことで、彼女は自分の心を守ってきた。
でも、どうしても欲しいものができてしまった。
だけど、羽川ちゃんは「欲しい」と口にすることができなかった。欲しいという気持ちさえ認めなかった。
羽川ちゃんはその気持ちさえもそぎ落とそうとして、多分、失敗したんだ。

皮肉なことに、初めての「失敗」が、それまでの「成功」の存在を羽川ちゃんに気づかせてしまった。
本当の「完全犯罪」は「犯罪の存在を知られないこと」とよく言うが、羽川ちゃんはまさに完全犯罪を成し遂げていた。
しかし、「成功」し続けていたことの「失敗」にも彼女は気づいた。

彼女は自分自身の「罪」を暴き、認め、そして裁いた。
きっと、それが『猫物語(白)』という物語。

それにしても、本人も認めちゃってるけど、暦くんの羽川ちゃんへの傾倒っぷりは異常。
なんというか、とてつもなく純粋な愛情が、とんでもなく不純な形であらわれちゃってるというか(爆)。

羽川ちゃんのためにここまでやれる暦くんは、多分、異常なんだ。
でも、その異常さをフルパワーに発揮しなければ救えないほどに、羽川ちゃんは過剰に異常だった。
多分、それだけのことだった。
うん、なんだか納得しちゃった。

自分を守るために怪異をうみだした羽川ちゃん。
そんな自分は間違っていると認めた羽川ちゃん。
黒も白も呑み込んで、みずからが灰色の存在になることを彼女は許容した。
それは自分にとって大事なことだと、みずからそれを求めた。

それができたのは、どんな自分でも絶対的に肯定してくれる、と信じられる人がいたからなんじゃないかと思う。
自分がどれだけ変わっても、自分を愛してくれると信じる人が一人でもいるのなら、変わることは怖くない。
そうやって変わることで、羽川ちゃんはきっと、もっともっと愛される人になる。

完結していたと思っていた物語だったけど、なるほど、なにも完結していなかったのか、と思い知らされた。
羽川ちゃんはここにたどりつかなければいけなかったんだ。
そんなふうに思ったら、なんかものすごく安心したんだ。
羽川ちゃんはまだまだ幸せになれる子なんだ、って思えたから。

それにしてもひたぎちゃんは本当にいい子だなあ。
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tag : 化物語 猫物語 西尾維新

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主食はマンガとアニメ。


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